MVNOの競争も新しい段階へ

ゲオとNTTコミュニケーションズという、一見接点のなさそうな企業同士の事業提携となるが、ゲオが持つ全国1,047店舗という販売網と、MVNO市場でシェアNo.1のOCNというブランドを活かしたい両者の思惑が一致した形だ。

MVNOは昨年あたりから認知も広がり、多くの事業者が参入しているが、価格競争はすでに限界に近いところで行われている。単純な料金競争に限界を感じているMVNOキャリアは、容量無制限コースの追加や、光回線とのセット割、通話料金半額オプションの提供など、さまざまなアプローチで差別化を図っている。

ゲオとNTTコミュニケーションズは、現在のMVNOユーザーの主流であり、リテラシーが高い30~40代から、今後は弱年齢層や高齢者にもアプローチしていく形だ。確かにこうした層は自らネットで情報を集めるよりも、店頭のPOPやポスター、テレビCMなどに影響を受ける割合が高い。手続きに長い時間がかかったり、自分で設定する面倒をよしとせず、その場で店員と相談し、設定済みの端末を即日持ち帰れるほうがいいだろう。ただし、ゲオのような実店舗展開にしても、すでにイオンスマホという先駆者が存在するほか、CCCとフリービットがMVNO事業で提携するなど、競合は多い。大手同士のタッグとはいえ、順風満帆というわけにはいかないだろう。