Firefox OS搭載ケーブルSTB
最後のセッションは、Firefox OSを搭載したCATV用Digital Settop Box(STB)の概要と今後の展開について紹介した。まず登壇したのは、パナソニック株式会社AVC社STBネットワークビジネスユニット山口剛氏で、STBで何をやりたいのかが説明された。
いきなりであるが、STBのアプリケーションコンテスト「アプリジャム」の開催が報告された。その背景を順に説明していこう。ケーブルテレビであるが、本来は山岳地域やビル街などの難視聴対策のために使われた。そこで使われるのが、専用チューナのSTBである。それが、現在では多チャンネル化し、インターネットサービス、携帯電話のサービスも行われてきた。
そして、4Kの大画面を活かした利用、難視聴対策が目的であったので地域密着性を利用した見守り・安心サービス、買い物難民解消のショッピングといったサービスが提供されるようになった。しかし、それでも差別化が難しく、さらなるサービス展開が求められるようになった。そこで、STBにFirefox OSを搭載し、アプリを動かし新たなサービス提供することをが目標とのことだ。
まだまだインターネット接続が可能なモノは少ない。そこで、STBがゲートウェイとなってその役割を担っていきたいとのことだ。すでに、デジタルハリウッド大学でアイディアコンテストなども開催した。アプリジャムでは、実際にアプリ作成までを取り組みたいとのことである。後半は、石川哲也氏が登壇し、技術的な面を紹介した。
Web APIとしては、図17などがある。
そのサンプルも紹介された。
TV APIについても、紹介された。
現時点では案であり、変更の可能性もあるとのことだ。WebIDEで接続可能なシミュレータも開発中で、近日のうちに公開の予定である。開発の流れであるが、以下のようになる。
1. シミュレータ+WebIDEで開発・デバッグ
2. STB+WebIDEでデバッグ
3. STBにインストール、動作確認(SDカード経由を予定)
シミュレータのデモも行われた。
アプリジャムの開催までのスケジュール(案)は、図21の通りである。
実機での調整も必要になるが、その機会をどう設定するか調整中とのことだ。
終了後は懇親会が開催
セッション終了後は、ピザとビールなどで懇親会が開催された。登壇者と直接、話すこともできる。30分のセッションだけでは、得られない情報も少なくない。まさに開発進行中のプロジェクトで、最新の技術や情報にふれることができる。次回は4月14日に開催予定で、Fx0の開発秘話(仮)などが予定されている。
参加者をみると、プログラマもいれば技術者もいるという感じで、自由に参加できる。これからJavaScriptやHTML5を学ぶのでもいいと思う。そして、Firefox OSはスマホだけではない。興味をひくテーマがあるならばぜひ、(興味がなくても自己研鑽のために)参加してみてほしい。得られるものはあるはずだ。