iPhoneは医療分野で囲い込みを強化する

さて、モバイル関連の製品を見ていくと、iPhoneについては「ResearchKit」の登場が大きいだろう。医療研究に必要なデータをユーザーから収集するためのアプリを作りやすくするフレームワークで、いわゆる医療ビッグデータと呼ばれる分野において、iPhoneが担う役割が飛躍的に大きくなることは疑いない。

アップルはiOS 8の「HealthKit」でサードパーティのどんな機器であれ、iPhone上にデータを集約できる仕組みを作ったが、ResearchKitはさらにそのデータを医療機関に提供し、活用するための仕組みを用意したというわけだ。

ResearchKitは「データはアップルから見えない」と表明したことで、ビッグデータの扱い方についても業界に一石を投じた形になっている

多くのウェアラブル機器がターゲットにしているヘルスケア分野は、データの蓄積が精度を高めていくため、使い続けることが重要だ。一度HealthKitでデータを溜め始めた人は、どんどんほかのプラットフォームに移行しづらくなっていく。

iPhoneが医療向け機能を充実させてきたのは、日頃持ち歩く端末だからという合理的な理由もさることながら、ユーザーの囲い込みに有効であるから、という側面があるのは間違いないだろう。まして医療研究に貢献するとあれば、社会的貢献という名目も得られるわけで、実に上手い。

また、米国ではApple Payの普及が予想以上のペースで進んでいるようだ。グーグルやサムスンも独自のペイメントプラットフォームを発表しているが、使い勝手や認知度の点でアップルが優位に立っていると感じられる。おサイフケータイの普及率が高い日本では同じようにいかないと思うが、早く日本でも使ってみたい。

コカコーラの自動販売機もApple Payをサポート。日本の多彩な自販機でApple Payをサポートしてくれれば、と思う人は多いはずだ