スペイン・バルセロナで開幕した世界最大級のモバイル関連見本市「Mobile World Congress 2015」の会場で、米Intelはモバイル向けチップセット「Intel Atom x7」「Intel Atom x5」「Intel Atom x3」シリーズの新製品を発表した。x7、x5はコードネーム「Cherry Trail」と呼ばれていた製品で、x3はコードネーム「SoFIA」。ハイエンドからローエンドまでカバーするモバイルチップセットをラインナップした。出遅れをとっていたスマートフォン、タブレット市場において、新チップセットで巻き返しを図る。
x7、x5シリーズは、Atomシリーズでは初めて14nmプロセスで製造される製品で、3Dグラフィックス性能が従来の2倍になるなど高性能化。Acer、ASUS、Lenovo、Dell、HP、東芝が採用メーカーとしてあげられており、今年上半期に製品が登場する見込みだ。ラインナップとしてはx7がZ8700、x5がZ8500、Z8300となっており、ハイエンド、メインストリーム、ローエンドまでの製品をカバーする。
x3 C3000は低価格製品向けの統合型チップセットで、Atomにモデムを統合した初めての製品。統合型のため追加コストなしにすぐに製品に組み込むことができ、LTEモデムを統合したC3440、3Gモデム統合のC3130・C3230RKの3種類を用意する。リファレンスデザインも用意したことで、すでに20社のパートナーが27の製品をMWCで展示。4~8インチクラスの製品で今後6~8週間で登場する見込み。
さらにx7、x5シリーズ向けのLTEモデムとして「XMM 7360」も登場。3つの周波数帯域を束ねるキャリアアグリゲーション(CA)に対応し、下り最大450Mbpsまでの通信をサポートする。通信方式はFDD LTE、TD-LTE、TD-SCDMA、3G、2Gの5つに対応する。スマートフォンだけでなくPCもターゲットにしているという。XMM 7360搭載の最初の製品は今年上期に登場予定。