IntelのCEOであるBrian Krzanich氏は、2015年にインターネット接続できる機器が49億台に上り、これが2020年には500億台以上に達する、と予測。現在はスマートフォン、タブレット、PCがインターネット接続の主流だが、今後はいわゆるIoT(モノのインターネット)を始め、さまざまな機器がインターネットに接続されるようになることで、爆発的に機器が拡大する。

これにともない、データトラフィックも今後4年間は倍々ゲームで拡大していくと見ている。

IoTの登場でインターネット接続端末が急成長。データトラフィックも拡大を続けていく

こうした状況で、Intelは3つのソリューションを提供。1つ目はもちろん半導体で、幅広い製品に対応するチップセットを供給する。PCに関しては強い同社だが、スマートフォン、タブレット向けではQualcommのSnapdragonに水をあけられており、今回ようやくモデム統合型の低価格向けチップセットも投入したことで巻き返しを図りたい考え。

Intelの3つのアプローチ

モバイル端末に関しては今後もさらに強化していく

QualcommはスマートウォッチのようなIoTデバイス向けにもチップセット採用が増えている点をアピールしているが、今回のIntelの発表ではスマートフォン、タブレット、PCへの展開が中心。「500億台」というIoTを含めた市場に対してどれだけ存在感を示すことができるかという点が大きな課題となるだろう。

Krzanich氏は、「新しいモバイル体験」として、3Dカメラ技術の「RealSense」やA4WPのワイヤレス充電「rezence」のデモも実施するとともに、Samsungの新スマートフォン「GALAXY S6/S6 Edge」に同社のウイルス対策製品のMcAfeeがプリインストールされていることを紹介。さらに、LG電子のスマートウォッチ「LG Watch Urbane LTE」にMcAfee Mobile Securityが対応し、盗難対策機能を提供するほか、「True Key」による多要素認証でセキュリティ機能を強化していく戦略も示す。

新しいモバイル体験としてRealSenseやrezenceを紹介

ウェアラブルやIoTではセキュリティの問題は今後さらに大きくなる。そうした点についても強化をしていく考え

Intelならではの部分としてはネットワーク向けのソリューションを提供できる点。500億台というデバイスがインターネットに接続することで、それに対応したバックボーンやデータセンターといったインフラ側も強化する必要がある。仮想化技術やXeonといった技術でコストを低減しつつ性能強化を実現することで、こうした要求に応えていく。

バックエンドに対するソリューションも重視

現時点で、モバイル向けチップセットとしては採用例が限られるIntelだが、Krzanich氏は、端末だけでなく、それを支えるバックエンドの部分を支えることも、今後のモバイルの発展に重要だという認識を示し、この3つのソリューションで業界をリードしていきたい考えだ。