2015年のモバイルSoCはどうなる?

2014年はハイエンドSoCの64bit化が進んだ1年だったが、2015年はどうなるだろうか。

まずハイエンド向けから見ていくと、オクタ(8)コア化やLTEの高速化、Wi-Gig対応、LPDDR4対応はほぼ既定路線と言っていいだろう。広く採用されているクアルコムのモデムが対応するので、今年後半にはWi-Gig対応の製品も登場してくるだろう。もっともオクタコアについては、8コアすべてを動作させるものと、Cortex-A57/53コアを4コアずつ切り替えて使う「big.LITTLE」方式を使うものに分かれるだろう。前者は性能は出るが消費電力が高く、後者は実質クアッド(4)コアということで、性能的には大きな飛躍にはならないだろう。

一方、ミドルレンジでも64bit化が徐々に進んでいくものとみられるが、この市場ではインテルの存在感が増していくことが予想される。特にWindows Phone 10が登場する今年後半は、スマートフォンやWindowsタブレットでインテル製SoCを採用した製品が多く登場すると予想される。特にタブレットは、8インチ前後で2万円前後の製品で一気に攻勢をかけてくる可能性が高い。これまでSoC市場では雌伏の時期が長かったインテルだが、挽回のチャンスを生かせるかが注目される。

ところで、GPU市場でNVIDIAのライバルであり、インテル(x86)互換CPUの販売も行っているAMDが、2015年にはコンシューマ市場向けに同社の「Graphic Core Next」アーキテクチャGPUを搭載したARMベースのSoCを投入することを発表している。このSoCは主にハイエンドタブレット向けになると予想されているが、独自コアを開発する能力のあるメーカーの新規参入だけに注目したいところだ。

(記事提供: AndroWire編集部)