ようやくUI(ユーザーインターフェース)が日本語化し、Windows 10に興味を持つ多くのユーザーは仮想マシンや実機へのインストールを試していることだろう。そこで最初に目に付くのは日本語化したデスクトップではないだろうか。UI用フォントの変更は全体の雰囲気を左右する大きな存在だが、ビルド9926はこれまでと異なる日本語フォントを採用している。そこで本ビルドリリース後として第4回を数える本稿では、UI用フォントと新たに加わったWindowsストアアプリについて報告しよう。

ビルド9926から加わった新Windowsストアアプリ

UI用フォントについて述べる前に、Windows 10テクニカルプレビュー ビルド9926から加わったWindowsストアアプリを確認したい。本ビルドには従来の「ストア」と、今後メインになるであろう「ストア(ベータ)」の2種類を用意している。

こちらは従来の「ストア」。ウィンドウサイズを変更するとスクロールバーが現れるが、数秒ほどで消える

こちらは新たな「ストア(ベータ)」。リサイズ時の横スクロールバーは確認できなかった

そもそもWindowsストアアプリは全画面表示を前提に設計していた。もちろんPCやタブレットに限らずWVGAといったスマートフォンも考慮されている。だが、Windows 10からWindowsストアアプリはウィンドウ表示をサポートしなければならず、PC/タブレット/スマートフォンと解像度が異なるデバイスで同一のUX(ユーザーエクスペリエンス)を実現するため、ストアのデザインを刷新する予定だ。

構成要素は従来と同じながらもページ構成は縦方向に広がるように変更し、PCとスマートフォンでの視認性を高めている。気になるのは"ハンバーガースタイル"と呼ばれるアプリメニューの呼び出し機能を用意していない点だ。Windowsストアアプリの更新情報やアプリ本体の設定もワンクリックで呼び出すデザインに変更していることから、あくまでも"ハンバーガースタイル"ボタンは一時的もしくはPC専用となり、スマートフォンでの使用を前提としたUIデザインが主流になる可能性もあるだろう。

Windowsストアアプリの情報は下方向に広がり、スマートフォンなどでの閲覧状況を改善している

Windowsストアアプリの手動更新やエラー情報も以前と比べて充実している

昨日のメディアブリーフィングでMicrosoftが発表したように、Xbox OneとWindows 10の連動もビルド9926におけるポイントの1つ。そのハブとなるWindowsストアアプリが「Xbox」だ。Xbox LIVEのフレンドリストやチャット、実績といった情報をPCやスマートフォンから制御するというものだ。現時点ではストリーミングプレイに対応していないため、既にリリース済みの「Xbox One(360) SmartGlass」というWindowsストアアプリをベースに拡張したような存在となる。

「Xbox」を起動した状態。現時点では従来のWindowsストアアプリ「ゲーム」のデザイン変更やわずかな機能拡張を行ったに過ぎない

こちらは以前からリリースしていた「Xbox One(360) SmartGlass」。PC/タブレットでXbox本体のコントロールを行うWindowsストアアプリだ

オンライン/オフラインの切り替えやアバター編集といったカスタマイズ系機能も未実装、GameDVR(ゲーム動画を録画し、共有する機能)にアクセスする方法も確認できなかった。残念ながら現時点では、取り立てて目新しさを感じることはできないと述べるのが正直な感想である。もっともWindowsストアアプリは、OS本体とは別プロセスで更新してきた過去の例があるため、今後はXbox Liveゴールドメンバーシップを購入しているユーザーなら楽しめるかもしれない。

UI用フォントは「Yu Gothic UI」に変更

一部のユーザーはWindows 10テクニカルプレビュー ビルド9926をインストールして、フォント周りの違和感を覚えたかもしれない。Windows 10テクニカルプレビューに限った話ではないが、英語版のUI用フォントはSeigo UIが用いられてきたが、日本語の言語パックをインストールすると、フォントはYu Gothic UIに切り替わる。これが違和感の正体だ(ちなみにWindows 8.1のUI用フォントはMeiryo UI)。

HKEY_CURRENT_USER \ Control Panel \ Desktop \ WindowMetricsキーを確認することで、UI用フォント名を確認できる

ちなみにYu Gothic UIは以前のビルドでも存在したが、日本語の言語パック適用時は遊ゴシックや遊明朝も加わる仕組みである。こちらのフォントはWindows 8.1から追加された標準日本語フォントだが、バージョン0.95と(Windows 8.1付属のバージョン1.55から)低いものの、フォントスタイルとして「中(Medium)」を新たに追加した。

Windows 10テクニカルプレビューで日本語用言語パックをインストールすると、遊ゴシック/明朝が加わる。フォントスタイルとして「中」が加わり全4スタイルに拡張した

さて、UIフォントがYu Gothic UIに切り替わることで覚える違和感は行間にあるのではないだろうか。下図は仮想マシンとSurface Proにビルド9926をインストールし、クイックアクセスメニューを表示させた状態だが、行間が明らかに異なる。そもそもWindows 8移行はHigh DPI(高DPI)へ対応し、一般的なPCの解像度である96DPIを高解像度ディスプレイで使用する際、文字を始めとするUI要素は小さくなってしまう。そのため、DPIを手動もしくは自動で変更する仕組みが求められている(DPI変更自体はWindows XP時代から可能だった)。

96DPIで動作するビルド9926のクイックアクセスメニュー、行間や左右のアキが冗長に感じる

144DPIで動作する同環境。こちらはWindows 8.1以前を96DPIで使っていたようにちょうどよく見える

Surface Proの解像度は1,920×1,080ピクセルのため、DPIの初期値は150パーセントの144DPIとなるが、行間1つ取ってもバランスよく感じないだろうか。そもそも.NET Framework APIであるWindows Forms(High DPI未対応)とWPF(Windows Presentation Foundation: High DPI対応)で作成した場合、表示内容が異なる点のは有名な話だ。具体的にWindows 10テクニカルプレビューでどの箇所に影響が発生しているのか確認できないものの、開発途上にあるプレビュー版だからこそ、このような食い違いが発生しているのではないだろうか。

さて次回は、「Settings(設定)」に加わった新項目を中心に、Windows 10テクニカルプレビューの変更点を報告する。

阿久津良和(Cactus)

前回の記事はこちら
・短期集中連載「Windows 10」テクニカルプレビューを試す(第12回) - 新コンパネ「Settings」とチャームバーに代わる「アクションセンター」
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