時計の心臓部を製造する重要な工程「アナログブロック」

シリーズ「オシアナス・クオリティ」のテーマでもある、カシオのフラッグシップ・ウオッチブランド「OCEANUS」、その製造工程は、大きく以下の6つに分かれる。

1.金型設計

3次元CADデータを使い、樹脂部品を成形するための金型を設計。加工手順や工具なども自動でプログラムされる。

2.金型製作

加工プログラムをもとに金型を製作。最先端の設備機器で切削加工や放電加工を行い、より精密な金型を作り出す。

加工精度の高い金型製造機がずらりと並ぶ。ちなみに「YASDA」は、あのフェラーリもエンジン製造に使用している工作機械ブランド

金型の材料となる鋼材

工場内で製造され、実際に使用されている金型

放電加工により作られたG-SHOCKの外装原型

3.樹脂成形

金型に溶かした樹脂を射出し、樹脂部品を成形。直径1mm以下の歯車からベゼルやバンドなどの外装品まで、さまざまなパーツを製造する。

パーツ製造工場。射出成形機がところ狭しと並んでいる

スチームで工場内の湿度をコントロールして、静電気の発生を抑えている

4.基板実装

プリント基板にアンテナやセンサー、LSIチップなどの電子部品を実装。高密度実装技術により、多彩な機能の搭載を可能としている。

5.アナログブロックの製造

メインプレートに歯車やモーターなどを搭載し、アナログブロックを製作。画像処理など最新のデジタルエンジニアリングを使って、熟練工の目による位置合わせを行い、高精度な実装を実現。

アナログブロック製造ラインで扱われる微細なパーツ群

6.組み立て(PPL)

アナログブロックに基板、文字板、針を取り付け、ケースに封入。防水検査を実施したのち、バンドなどの外装パーツを取り付け、製品として仕上げる。

この流れを踏まえた上で、「5.アナログブロックの製造」と、PPLでの「6.組み立て」工程を、次回から実際に生産ラインの内部に入ってお届けしよう!

生産ラインに入るときは、こんな装いに