アップデート後に言語パックで日本語化

さて、Windows 10の開発は以前の記事でも述べたように「Ring Progression」と呼ばれる開発工程で進んでいるため、ビルド9926へのアップデートも直接実行できる。ただ、本稿をお読みになる読者の多くは日本語を選択すると思われるものの、Windowsは基本的に異なる言語間でのアップグレードインストールをサポートしてこなかった。ところが、英語版のビルド9879にビルド9926日本語版のISO形式ファイルからセットアッププログラムを実行したところ、言語パックに関する注意は現れるものの、そのままアップデートできるようだ。

ビルド9879上でISO形式ファイルのセットアッププログラムを実行した状態。丁寧に言語パックの再インストールが必要であることを明示している

もっとも英語版のままビルド9926へアップグレードし、その後表示言語を変更する方法を選択するのが一番簡単だろう。ただし言語パックは、主要部分のみをローカライズしたLIP(Language Interface Pack)と、さらにロケールリソースをサポートした"一部ローカライズ言語パック"、そして言語およびロケールリソースを100パーセントローカライズした"完全ローカライズ言語パック"の3種類がある。そのため、ビルド9926へアップデートした後に日本語を選択するのはLIPもしくは一部ローカライズ言語パックとなる可能性が高い。もっとも正式リリース前のプレビュー版でこだわる部分ではないが、気になる方はこちらのWebページからISO形式ファイルをダウンロードすることをお勧めする。

あらかじめ「Preview builds」からビルド9926へアップデートする

[Win]+[I]キーを押して「Settings」を起動し、検索ボックスに「Lang」と入力。検索結果の「Region and language settings」をクリックする

「Region & language」の「日本語」をクリックして展開し、<Options>ボタンをクリックする

<Download>ボタンをクリックして、日本語の言語パックをダウンロードする

ダウンロードおよびインストールを終えたら、Windows 10テクニカルプレビューに再サインインする

これで表示言語も日本語に切り替わった。なお、Cortanaは日本語で使用できないため、タスクバー上の検索ボックスからマイクアイコンが取り除かれる

基本的には上図の手順で日本語表示に切り替わるが、今回試したところ日本語の言語パックをダウンロードするボタンが現れないことがあった。その際は何度かオプションを開き直すか、英語の言語パックをインストールし、<Set as primary>ボタンで英語を第1言語に切り替えると現れるようなので試してほしい。

さらにアップデート直後の注意点として、"文字化け"が発生する場合はロケール設定を見直すといいだろう。通常であればシステムロケールは「日本語」が選択されているはずだが、英語版のまま(地域や入力言語として日本を選択しなかった)インストールした場合、システムロケールとして英語を選択している可能性がある。その際はコントロールパネルから「地域」の<管理>タブを開き、「Unicode対応ではないプログラムの言語」セクションの内容を<システムロケールの変更>ボタンで「日本語」に変更すればよい。

<管理>タブの「Unicode対応ではないプログラムの言語」セクションにある<システムロケールの変更>ボタンで「日本語」に変更する

また、起動時にブートメニューが現れるという問題も確認されている。どうもアップグレードインストールと同じプロセスを行うバグが含まれているようだ。こちらは「システム構成(msconfig.exe)」を起動し、<ブート>タブに並んでいる「Windows Rollback」を削除すれば解決可能だ。ただし「$Windows.~BT」フォルダーなど以前のWindowsフォルダーも残っているため、「ディスククリーンアップ」を起動して「以前のWindowsのインストール」などを削除すべきである。筆者が確認した限りでは10GB前後のストレージ空き容量をひっ迫していた。

ビルド9926にアップデートすると、ブートメニューが現れる問題が確認されている

<ブート>タブで「Windows Rollback」を選択し、<削除>ボタンをクリックすればよい

「ディスククリーンアップ」で「以前のWindowsのインストール」や「一時Windowsインストールファイル」、「Windowsアップグレードログファイル」を削除することをお勧めする

このようにビルド9926は、コントロールパネルから「設定」への機能移行など各所で変更点が確認できる。ただし、注目のパーソナルデジタルアシスタントCortanaがサポートする言語は英語に限定しているため、日本語に切り替えると使えなくなってしまうようだ。つまり、Windows 10の新機能を余すことなく体験するには、英語版のまま使った方が都合がよいのである。

ビルド9926から試用期限は2015年10月2日に延長された

いずれにせよWindows 10テクニカルプレビューの新機能は次回から紹介していくが、最後に試用期限について述べておこう。ビルド9926に達したことで試用期限は2015年10月2日に延長している。あくまでも推測の域を超えないが、試用期限から察するにWindows 10の正式リリースはやはり今秋、RTMは従来どおり今夏辺りになりそうだ。

阿久津良和(Cactus)

前回の記事はこちら
・短期集中連載「Windows 10」テクニカルプレビューを試す(第9回) - 多くのユーザーフィードバックを反映した「ビルド9879」登場
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