Wi-Fi Calls

T-Mobileは、ユーザーだけでなくAppleにとっても、ホットなキャリアの1つと言えるかもしれない。iPad Air 2、iPad mini 3のセルラーモデルには、初めてApple SIMがバンドルされたが、このコンセプトを完全にサポートしていたのは米国ではT-MobileとSprintだけだった。

AT&Tもサポートはしていたが、一度AT&Tでアクティベートすると、そのSIMはAT&Tにロックされてしまい、他のキャリアに後から移ることはできなくなってしまう。T-Mobileのネットワークは、SIMフリーを前提にしていることもあり、Appleのハードウェアやソフトウェアが最も理想的な環境で動作すると言えそうだ。

もう一つ、T-Mobileがサポートしているのが、Wi-Fi Callsだ。米国ではT-Mobileのほかに、2015年にAT&Tがサポートすることを表明している。欧州では複数のキャリアが既にサポートを行っている。

この機能は、通常の電話番号の通話をWi-Fiのネットワークを介して行う機能で、iOS 8からサポートされた。iOS 8の機能として追加され、最新のiPhone 6、iPhone 6 Plusに加えて、iPhone 5s、iPhone 5cでも利用できる。

iPhoneでは、「設定」>「電話」から、対応キャリアでONにすることができる。ONにすると、電波表示が「T-Mobile」から「T-Moble Wi-Fi」に変わり、Wi-Fi CallsがONになっていることがわかる。設定をONにしても、通話にはなんら変化がなく、これまで通り行うことができた。

iPhoneでWi-Fi CallsをONにしたところ。電波表示のキャリア名に「Wi-Fi」の文字が表示されていることが分かる。通話はWi-Fi経由で発着信するようになるが、iOSデバイス・Mac間でのiPhoneの通話共有は使用できない

なお、米国ではE911と呼ばれる、携帯電話から緊急通報する際に位置情報を同時に送信する仕組みがあるが、Wi-Fi Callsの場合は発信地が特定できないため、自宅の住所を提供する必要がある。