米NVIDIAは現地4日、モバイルSoCの最新モデル「Tegra X1」を発表した。前モデルのTegra K1に比べてパフォーマンスが2倍に向上するという。出荷は今年前半を予定。

Tegra X1

Tegra X1は、64bit対応のARM Cortex A57(4コア)とARM Cortex A53(4コア)の8コアCPU、256コアのMaxwell GPUを搭載したSoC。製造プロセスは20nm。Kepler GPUを採用した前モデルで昨年1月に発表した「Tegra K1」に比べ、2倍のパフォーマンスを実現し、1テラフロップス超の処理能力を持つ。60fpsの4Kビデオ(H.265、H.264、VP9)までをサポートし、グラフィックス規格は、Unreal Engine 4、DirectX 12、OpenGL 4.5、CUDA、OpenGL ES 3.1、Android Extension Packなど、主要な規格に対応。PCからモバイル機器へと簡単にゲームを移植することができるという。

NVIDIAのCEO兼共同創立者、ジェンスン・フアン氏は「NVIDIAが世の中に送りだした10世代のGPUアーキテクチャ、Maxwellで驚くほどのグラフィックス処理能力を実現したTegra X1は、スーパーコンピュータやゲーム・コンソールに匹敵する能力を持つ初めてのモバイル・プロセッサとなります」とコメントしている。

スーパーコンピュータとして引き合いに出すのは、15年前の最速スーパーコンピュータ、ASCI Redで、それを上回る性能を持つという。ASCI Redは世界初のテラフロップスに到達したシステムで、米国エネルギー省のサンディア国立研究所で10年ほど運用されたが、床面積約150平方メートルという巨大なものだった。その稼働には500キロワットの電力が必要だったが、Tegra X1の面積は親指の爪ほどで、所要電力も約10ワット程度としている。