世界のスマホの現状

次に注目したいのがThe Guardianのこの記事だ。日付は2014年1月と古いが、ある情報を共有するうえで大きな意味を持つ。世界の国ごとのスマートフォン普及率や新規スマートフォン契約数をヒートマップで参照できるのだ。これを見れば、いま世界のどの地域でスマートフォンが売れているのかを簡単に把握できる。米国はさることながら、中国、インド、東南アジア、ブラジルあたりの国々が目にとまるだろう。

さらに国ごとのスマートフォン販売数と、その新規/買い換えの比率が示されたグラフだ。これをみれば、潜在的端末需要がどこにあるのかが一目瞭然だ。中国、インドがその台風の目にあるということがわかる。

以上を踏まえたうえで、IDCの「世界のプラットフォーム別スマートフォンシェア推移」、「世界のベンダー別スマートフォンシェア推移」、そしてGartnerの「最新スマートフォン市場シェア報告(2014年第3四半期)」あたりのデータを見ると、現在のスマートフォン市場のおおよその状況が見えてくる。IDCとGartnerで微妙に数字が異なるが、内容的にはほぼ同じだ。ポイントを箇条書きすると……、

  • Androidはシェアが微増、iOSは微増または微減、Windows Phoneは微減、BlackBerryも微減

  • ベンダー別ではSamsungが首位だがシェアは大幅減、Appleは微増または微減、3~5位はHuawei、Xiaomi、Lenovoの中国メーカー3社が占有し、特にXiaomiの伸びが大きい

あたりとなる。1つ注目してほしいのはGartnerのデータで、昨年同期比でスマートフォン出荷台数が2億5000万台から3億台と、約20%の伸びを見せている。AppleのシェアはIDCとGartnerで増加傾向が異なっているが、仮に横ばいだとしても市場全体として20%出荷台数が伸びているのであれば、Appleもまた20%成長を達成していることになる。

先ほど先進国はすでに買い換えサイクルが中心という話をしたが、つまりこの20%の伸びは先進国以外のマーケットでの純増だ。その意味ではAppleは比較的国外展開に成功しているメーカーだといえる。