Windows Phoneの微減、中国ベンダーの台頭が意味すること
そのほか、Windows Phoneのシェアが減少し、中国ベンダーが台頭したという事実が意味しているのは、世界のスマートフォン市場の成長が局所的に偏っているということだ。Windows Phoneは主に欧米を中心に、最近ではインドをはじめ新興国への進出を積極的に行っているが、まだ大きくシェアを獲得できるには至っていない。
一方で中国ベンダーの台頭は、中国ならびに周辺国でのスマートフォン市場の成長が著しく、その煽りを受けて台数ベースのシェアではWindows Phoneが大きな影響を受けるという推測が成り立つ。先ほどのThe Guardianのデータを参照すれば、中国とインドで覇権を握ったベンダーが、同時に世界のスマートフォン市場での覇者となる可能性が高い。
最近、Samsungの勢いに陰りが見えるのも、先進国での市場の成熟のほか、こうしたスマートフォン激戦区の新興国での影響力低下、地場ベンダーの躍進による部分が大きいのだろう。この勢いは遠からず周辺国にも影響をもたらし、世界シェアで中国メーカーがランキング上位を専有する日も近いのではないかと筆者は考える。
スマートフォン市場は転換点を迎えた
まとめると、2014年、そして2015年にかけてのスマートフォン市場は、まさに転換点を迎えた可能性が高いというのがデータから見た筆者の推測だ。実際、「スマートフォンの新機種に魅力を感じなくなった」「iPhoneの新機種を見ても以前ほど食指が伸びない」という意見が多く、「スマートフォン市場が飽和した」と感じている人は多いだろう。折しも、米国では販売奨励金を大量に盛って端末をバラ撒き、ユーザーを長期契約で縛るという手法が見直されつつあり、2015年以降の動向が注目されつつある状況だ。
日本でも2015年5月からSIMロック解除が義務化され、低料金をセールスポイントにしたMVNOが話題を集めるなど、キャッシュバックなどを交えたハイエンド端末販売一辺倒の状況に変化が訪れる兆しが見えつつあり、こうした中国メーカーが進出する余地ができはじめている。その意味で、来年は今年よりも面白いものがみられるかもしれない。