スマホの料金
もう1つの「分」の理由は、料金だ。
米国同様に、日本の携帯電話キャリアは、基本料金に通話し放題を含んで、これまでより割高に設定し、データ通信の容量を個人の複数端末や家族で分け合える仕組みを導入している。
米国の同様のプランでは通話し放題を含む基本料金が40ドルほどなので、日本の通信キャリアの設定は比較的安い。その結果、このプランを選んだ通話を多用するユーザーにとっては5,000円から10,000円近くの値下げを享受できるケースもある。
一方、既存のスマホ料金よりも値上げされることを嫌う通話をほとんどしないユーザーは、新料金プランを嫌い、それしか選択できないドコモから他のキャリアへの移行、という動きが見られた。
格安SIMも乱立するようになり、キャリアを含めた通信手段の細分化が進むことも、この文字を選んだ理由となる。
来年も「分」
来年の展望についても「分」の漢字をテーマにしたい。これは、利用者として、通信会社を「見分ける」ことができるかどうかということだ。
2015年5月からはSIMフリーの義務化が始まる予定だ。米国では、最大手のVerizonは、LTE向けの電波取得の条件にSIMフリーデバイスであることが含まれていたため、2年契約でSIMフリーデバイスを割引販売し、途中解約では早期解約料金を取る仕組みになっている。つまり、デバイスがSIMフリーかどうかは、端末の売り方や契約に大きな影響を与えない「はず」である。この部分の考え方についてどう捕らえるのか、各社の対応を見極めていきたいところだ。
現状、日本のキャリアはSIMロックをかけることで、長期の通信利用が見込めることから、ユーザーに対して、端末代のサポートができるようになっている。SIMフリーになれば、長期利用がなくなる可能性があるため、キャリアは端末代金(実質負担額)のアップに踏み切る可能性を否定できない。個人的には、必ずしもキャリアが多くの負担をする必要はないと考えているが、SIMフリー化を単なる値上げの理由として活用するかどうかで、キャリアの信頼度を測ってみたいと思う。