コーボルトジャパンは12月1日、ドイツのフォアベルク製ロボット掃除機「VR200」を発売した。2日には、東京ショールームにて製品発表会を開催。コーボルトジャパン 代表取締役のアントン・ヤッチ氏が登壇してデモを交えた製品説明を行った。

コーボルトの新しいロボット掃除機「VR200」

ショールームにはクリスマスの飾り付けが。ドイツの文化を発信する場所にもしていきたいとヤッチ氏は言う

ドイツの老舗、フォアベルクが手がけたロボット掃除機

コーボルトジャパン 代表取締役のアントン・ヤッチ氏。手に持っているのはドイツに伝わる妖精「コーボルト」の人形

フォアベルクは、130年以上前にドイツで創業したメーカー。もとはカーペットの会社であったが、そのカーペット向けの電気掃除機として「コーボルト(Kobold)」を開発。現在、ドイツでは4軒に1軒、イタリアでは3軒に1軒がフォアベルクの掃除機を愛用しているという。

このたび発売したVR200は、VR100の新モデル。掃除機のメーカーである同社は、米Neato Roboticsと協力し、両社のテクノロジーやノウハウを詰め込んだロボット掃除機を作り上げた。D字の形状が特徴的で、壁などにフィットしてゴミを取り除ける。ヤッチ氏は日本におけるロボット掃除機市場でシェアを5%に拡大したい、との意気込みを示した。なお、VR200を発売したことでVR100は生産を終了。在庫のみの取り扱いになるという。

左が新製品のVR200、右が旧モデルのVR100

VR200にはリモコンが付属する

VR200の充電台

液晶はカラーになった。軽い操作性を実現したボタン

掃除は賢くパワフルに、だけど手入れはラクに

ヤッチ氏によれば、VR200の主な特徴は3つ。1つめはシステマチックに賢く掃除していくナビゲーションシステム。1秒間に1,800回スキャニングするレーザーによって空間を検知し、部屋内マップを作成する。日本の家屋には家具などの障害物が多いが、ランダムに動きまわるよりも規則正しく掃除していくほうが効率がよい、とヤッチ氏は説明した。

2つめはクリーニングパフォーマンスのさらなる向上。VR200はフォアベルク製の新モーターを採用しており、よりパワフルに掃除できるようになった。そのほか、サイドブラシの位置を改良するなどの工夫によって、旧モデルVR100の2倍となる吸じん力を実現。ヤッチ氏は「運転時の音が大きいのは我々ももちろん認識している。しかし、それだけハイパワーのモーターを使っているということ。タイマーセットして、出かけている間にVR200に掃除を任せれば問題ない」と語った。

サイドブラシは新たに毛足を短くした。毛足が短いと硬くてしっかりとゴミにアプローチできるが、長いとふにゃふにゃとしてしまう(写真はVK150の付属品)

サイドブラシの位置を、メインブラシの手前に設置することでゴミをかき集めやすくした

補助輪を設けることで、障害物を乗り越えやすくした

レーザーが1秒間に1,800回、部屋をスキャニングする

3つめは使用の手軽さ。ダストボックスには掃除機の吸込口を当てるための穴があいている。フォアベルク製の掃除機だけでなく、他社製の掃除機も使用可能だ(機種による)。この方式でゴミを100%取り除けるわけではないが、ダストボックスをロボット掃除機から取り出して手入れする手間を省ける。また、フィルターにはネット状になっているプレフィルターを新たに設けた。プレフィルターによってフィルターの手入れがしやすくなった、とヤッチ氏は言う。また、リモコンが付属するため、掃除のスタート時にかがんでスイッチを入れる必要がなくなった。

ダストボックスには掃除機の吸込口がフィットする程度の大きさの穴があいている

掃除機を押し当てることで、手を汚さずにダストボックスを空にできる

左がVR200のフィルター、右がVR100のフィルター。ネット状のプレフィルターを備えており、ゴミを取り除きやすい

メインブラシは取り外して手入れできる

USB端子を搭載。コーボルトジャパンが無償で提供するファイルを保存したUSBメモリを接続すると、アップデートできる

持ち運びに便利な取っ手を装備

VR200のお手並み拝見

発表会ではデモも行われた。写真と動画で紹介しよう。

大きめのゴミがばらまかれている。テーブルの脚付近などの掃除は難しそうだが、VR200はきちんと取り除けるのだろうか

まずは部屋全体(ここでは磁気テープによって囲われている部分を部屋だと仮定)の隅をぐるりと掃除する

テーブルの下を掃除。ショールームのテーブルは透明だ。レーザーは透明な物体を認識することが苦手なので、レーザーだけでなく3つの超音波センサーを搭載して精度を高めた

<動画>段差を乗り越えていくVR200