ある金曜日の夜のこと

例えば金曜日、仕事を終えて、今日は飲み会もないので早めに家に帰って、何も考えずにバラエティ番組でも見て、本を読み進めて早めに寝よう、なんて思っていたとします。そんな帰り道、友人からプライベートの相談事で、長いメールが届きます。内容は、そうですね、恋愛の話あたりにしておきましょうか。別になんでも良いのですが。

帰りの電車の中で、これを読み始めます。現状に至る経緯、相手から切り出された話(この時点で、たいてい別れ話ですね)、自分の伝わらない思い、そしてどう決着をつけるかノープランであることが、分かりにくい文章で綴られています。それもそのはず、人に理路整然と伝えられるのであれば、わざわざ相談もしないでしょう。

とりあえず、一通り読んだところで、「返信」ボタンを押して、返事を書き始めます。「なるようにしかならないよ」とつい指先がタップしてしまうのを何度も消しながら。その人のことは嫌いじゃないけれど、スマートフォンから短い返事を送ってしまっては、いくら文末に「iPhoneで送信」と入っていても、相手からは間違いなく真剣に考えてくれてない、と思われるでしょう。

かといって、自分の書きかけのメールを一度下書き保存して、経緯が書いてある友人からのメールを開きなおして、再び下書きを開いて、と3回繰り返したところで、地元の駅に到着。お手上げですね、これは。

ちょっと例えが極端すぎたかもしれませんが、こういったときに何をするかというと、もう少し大きな画面で、端末を変えて、一度広い視野で考え直してみよう、ということです。いくらiPhone 6シリーズで画面が広くなったとはいえ、このまま返事を続けていては、心まで狭くなっていきそうです。

そこで、書きかけのメールがもしあれば、それを自分宛に送って、Macで開きなおして編集しようと考えます。そうして家に着く前に自分宛のメールを送った後、開く気が進まずにそのまま家事をやってお風呂に入って、Kindleで本を読み始めてしまうかもしれません。あるいは部屋の片付けまでやり始めたら、これはもう最大級の逃げ、というサインです。

iPhoneで書き始めた友人からの相談への返信。何とも筆が進まず、多分個々で閉じたら、「なるようになるさ」というフレーズで終えていそうだった。これを防ぐべく、Handoff