そんなiPhoneの今後だが、短期的にはiOS 8の新機能「アプリ間連携(App Extensions)」が可能性を広げていくに違いない。例を挙げれば、ここ日本で課題とされていたかな漢字変換システムへのサードパーティー参入が可能になるわけで、控えめに見積もっても日本語入力は変わる。写真のフィルタ処理など、アプリ間連携がもたらす可能性は多岐にわたるため、iOS 8リリース後しばらくはユニークなアプリが話題となりそうだ。

短期的にはiOS 8の新機能「アプリ間連携(App Extensions)」がiPhoneの可能性を広げることだろう

中期的には、いずれAppleが発表するであろう"なにか"が鍵になりそうだ。iPhone単独では、iOSとアプリを利用した機能拡張には限界があるが、周辺機器という形であれば話は違う。Bluetoothなどの近距離通信/ワイヤレスか、Lightningを利用した有線接続/ワイヤードかはわからないが、斬新な周辺機器の登場がiPhoneという存在を変える余地はあるはずだ。

Apple周辺では腕時計型のウェアラブルデバイスも噂されているが、果たして……(写真はGoogle I/Oで発表された「Gear Live」)

長期的には、現在あるiPhoneの操作スタイル -- 片手で支え片手でタップする -- が変わるのではないか。マルチタッチはUIの新境地を拓いたが、その操作スタイルを採用し続けるかぎりタッチパネルに由来するさまざまな制約を受けることになり、iPhoneの姿形も大きく変えようがなくなる。マルチタッチに変わりうる革新的なUIの登場こそが、"さらに先"のiPhoneに期待されていることだと思う。