モバイルに関して、まず樋口氏は「最近では、iPadでできることって少ないね、という声を聞く。大震災でiPadが配られた地域では、非常に多くのiPadが鍋敷きとして使われていた」と冗談を交じえながら話した。営業がノートPCとiPadの2台を持ち歩いているケースも多いという。「現場では、フルPCの機能を搭載したタブレットで、モバイル端末の一元化をして欲しいという声が上がっている」と紹介した。

マイクロソフトでは、PCの買い換え需要が一段落した今こそ、タブレット端末を売るチャンスと考えている。サティア氏の改革のもと、まずは9インチ以下のデバイスに搭載する「Windowsライセンス」が一部無償化されることが決定した。これは社内でも驚きの声が上がったという。樋口氏は「無料でOSを提供している競合他社に対抗するためにも、必要だと判断された」と説明した。

Windowsライセンスの一部無償化などにより、デバイスビジネスを加速させていく

このほか「クロスプラットフォーム」の考えにより、アップルのiOS製品やGoogleのAndroid製品にもマイクロソフトのプラットフォームを提供していく。さらには、競合企業ともアライアンスしていく考えだという。樋口氏は「それがユーザーさんの利益になるならば、そういったソリューションを提供しましょうという方針。マイクロソフトの根幹を変えてでも、これからチャレンジしていく」と説明した。

モバイルファースト・クラウドファーストの両軸で、プロダクティビティ&プラットフォームを提供する会社へと変革していく

樋口氏は「モバイルファースト、クラウドファーストはこれまで通り、お客様の資産を担保する形で展開していきます」と説明。改革により従来のサービスが利用できなくなってしまうような心配は一切ない、と保証することも忘れなかった。