iTunes Uアプリは1つの未来の教科書

現在のiTunes Uアプリを見ると、筆者も自分が高校生、大学生だった頃に、こうしたタブレットとアプリが存在していれば、とつい思ってしまう。それぐらい、学びが魅力的に見えるのだ。

講読したコースを開くと、ちょうど講義案内(シラバス)のような画面が用意されている

例えば筆者は中学生のころ、理科の授業でラジオの気象通報を聞いて天気図を書く、という課題が出されて以来、気象が大好きになった。しかし理科の授業で天気図の課題が出されるのはその単元が行われている期間だけで、授業だけでは「もっと知りたい」という興味を満たすことができなかった。

そこで先生に相談しに行って話を聞いたり、書店で関連書籍を買ったり、ちょうど同じタイミングでスタートした気象予報士試験の勉強をしたり。ただ、まだ熱力学などの授業を経験していない当時の筆者にとっては、独学での限界がすぐに訪れてしまった。

そうしたときにiTunes Uを開いてみるとどうだろう。講義や教材が並ぶiTunes Uアプリのカタログには、例えば、イエール大学やカリフォルニア大学デイビス校などの気象学の講義ビデオにアクセスすることができ、その他の文献も無料で手に入れることができる。バラバラの教材だけでなく、「コース」が存在している点も重要だ。つまり、独学ではなく、カリキュラムが存在し、学んでいく道筋に合わせて、教材が並べられているのだ。

教材タブでは、授業の進行に沿って、iBooks上にある書籍や教科書、ビデオや音声などがリストされ、ダウンロードできる

前述の通り、大学の学生ではないので、これらを勉強したとしても、単位がもらえるわけではない。しかし見るべき教材や、考えるべき課題が適切に提示され、それにそって学ぶことができると、闇雲に買いあさった本を読むよりも、より効率的に理解することができる。

また、ビデオの効果は大きい。教材が適切に並べられているだけでも十分価値があるが、それを解説する講義のビデオによって、独学をナビゲートしてくれる環境を整えてくれている。