デザイン面での変更は、Android始まって以来の規模ということで、アニメーションや3D描画のリアルタイムシャドウレンダリングなどの描画機能の改良も行われている。統一されたデザイン思想のうえに高度な描画機構を持ち込むことで、アプリ全体のアピアランスひいては操作性向上を図ることが狙いだ。タスク切り替えタブが奥行きある外観に変更されるなど、アプリ以外でもMaterial Designの影響は大きそうだ。

実際にアプリの外観および操作性がどう変わるかのデモには、Gmailアプリが使用されていた。システムフォント「Roboto」の意匠変更もあり、かなり印象が変わった

デザイン以外では、KitKatで導入された新ランタイム「ART」に注目したい。DalvikのJIT(Just in Time)コンパイラは、アプリ実行時にコード変換処理が生じるためCPUへの負荷およびバッテリー消費を避けられないが、アプリ導入時にコンパイルを終えてしまうARTならばそのようなロスを防げる。Dalvikに比べ2倍以上のパフォーマンスや64bit CPUへの最適化というメリットもあり、Androidで指摘されがちな"もっさり感"軽減に貢献することだろう。