生まれたての4Kノートに色めき立った開発陣

東芝が4KノートPCの開発に着手したのは2013年9月。その約4カ月後、2014年1月に開催された米CESの東芝ブースで、試作機を展示した。そこから、4KノートPCの開発に向けて一気にアクセルを踏んだという。

CES 2014で展示されていた東芝の4KノートPC。開発陣はこの試作機の4K表示に感銘を受け、「dynabook T954」の開発につながっていった

15.6型というノートPCの画面サイズにおいて、4Kの実現を見込める技術的な進化や、すでに同社ノートPC製品で4KのHDMI出力機能を搭載していた経緯から、「次の製品で4Kを内蔵しないのか」といった期待の声があったことも、今回の製品化につながっている。

dynabook T954では、4Kとなる3,840×2,160ドット(Ultra HD)の解像度を持つ15.6型IGZO液晶ディスプレイを採用しており、1インチあたり282ドットという解像度を実現。IGZOの採用によって、従来のパネルに比べて、薄く、明るく、高解像度であり、さらに低消費電力化や、タッチ操作に優れているという特徴も持つ。

「ノートPCは近くで画面を見るため、写真のクオリティを見るには4Kの方がわかりやすい」として、具体的な用途を想定したことも、4Kの製品化を進めた理由のひとつだ。

dynabook T954。3,840×2,160ドット(Ultra HD)の解像度を持つ15.6型ノートPC

搭載ソフトウェア「Adobe Photoshop Lightroom 5」での写真表示。革のテクスチャをリアルに感じさせるほど鮮やかに表現されている