ヒトの歩き方とそっくりなロボットはできるのか?

ともかく受動歩行のロボットへの応用は、猛烈にヒトの歩き方とそっくりでリアルであり、正直、表現は悪いのだが、ヒトの下半身だけが歩いているような不気味さを感じてしまうほどである。足裏が接地する際の音も含め、まさにアニメやハリウッド映画などで見たロボットというか、アンドロイド(外観もヒトを完全に模倣したヒューマノイドロボット)やサイボーグ(身体を機械化したヒト)たちがいよいよ実現するのではと感じられるほどなのだ。何はともあれ、受動歩行の様子を収めた動画を紹介するので、まずはとくとご覧いただきたい(動画1・2)。

動画
動画1。下り坂に設定されたトレッドミルの上で歩き続ける受動歩行装置
動画2。ヒトの下半身に似せた外観の受動歩行装置が押されながら歩く様子

なお、現状では何らかの力を与えられないと、歩行装置は平地や上り坂では歩き出せないため、動画2では、後ろから押されている。

動画2の下半身の受動歩行装置もまったくの無動力だが、大腿部を持ち上げたり、つま先を蹴り上げたりするなど、一部に動力を与えることができれば、人と同じように単独で歩けるようになるものと思われる。上半身を搭載し、その重心位置の背中側にプロペラやダクテッドファンなどをつけて前方へ進む推力を用意してあげれば、もしかしたら歩行装置にサーボを組み込む必要はないかも知れない。

このように外装までヒトに似せると、歩いている様子はヒトと錯覚してしまうほどである。まるでヒトが本当は歩いているんだけど、画像処理して上半身を消しているのではないかと疑ってしまうほどだ。この歩き方を自律歩行が可能なロボットに搭載できたとしたら、現状、最もヒトに近い歩き方のできるロボットということになる可能性が感じられる。

ただ、現状ではどこに動力を追加することで、ヒトのように歩くことができるかというのはまだ見極められていないそうで、飛行機でいえばエンジンを搭載していないグライダーのレベルだという。今はグライダーとして突き詰めて、その後に動力を搭載したいというのが佐野教授の考えで、すでにその道は拓けているとしている。

なお、名工大では藤本英雄教授の研究室でも受動歩行の研究がなされており、佐野教授の研究室と共同で、これまで開発してきた受動歩行装置やロボットの脚部の画像や動画が多数アップされているので、興味のある方は、ぜひご覧いただきたい