筆者はRetinaディスプレイについて書く際に、いつも指摘することだが、Retinaディスプレイで最大の恩恵を授かるのは文字だ。確かにiPad miniと比較して、写真もビデオも継ぎ目ない画素で非常に美しく楽しむことができる。しかしそれ以上に感動し、手放せなくなるのが文字を読んだときだ。

右がiPad mini Retinaディスプレイモデルで左が初代iPad miniのディスプレイ

粗いディスプレイの、輪郭が少しぼやけた表示は、小説を読んでいてもどうしても気になってしまうし、ウェブの画面を長く読む気がしなくなる。これがRetinaディスプレイになると、印刷のように完璧な輪郭を手に入れることができるのだ。

iPad miniのコンパクトさから、移動中に電子書籍を読んだり、自宅でウェブのニュースをチェックしたりすることが多いが、文字をよりたくさん読む使い方の場合、このRetinaディスプレイは必要不可欠な機能と言える。文字に加えて、Adobe Ideasでアイディアをスケッチしたり、Penultimateで手書きのメモを書いたりすることもあるが、ディスプレイに現れる線も、Retinaディスプレイでは滑らかそのものだ。

こうして原稿を書くときに、スケッチをするとき、美しい文字や線が次々に画面上に現れることは、仕事を捗らせる。

残念ながら、MacでRetinaディスプレイを手に入れようとすると、13インチのRetinaディスプレイを搭載したMacBook Pro、1.57kgを用意しなければならない。当然、短パンのポケットにも入らず、電子書籍を読むにも向かないデバイスだ。

コンパクトなiPad miniがRetinaディスプレイを搭載している意味は非常に大きいと感じる。