こうした「より使いやすく、より洗練させる」という点でアップルは強い。ヘルスケア、家庭デジタル製品の連携機能で、iOSは一歩進んだ存在としてアピールしていくのだろう。

気に掛かるのは、こうしたKitに最適化し、iOSを想定して作られるサービスが出てくる可能性だ。まあ、世界的なシェアや台数を考えれば、Android(もちろんWindowsも)をサポートしないクラウドサービスはありえないが、「iOSならばより使いやすい」という見せ方はありえる。

例えばPhotoKitを使えば、Instagram的なサービスを、カメラ機能の開発なしに提供できるようになる。クラウドサービス側に特別なアイデアがあれば、アプリ開発を最小限に提供できるというのはメリットだろう。ただし、これだけだとAndroid向けにはサービスを提供できない、ということになる。

そこまでいかなくても、複数が連携するサービスのフロントエンドとしてiOSがあり、「iOSを使えばさらに便利」という設計はありだろう。WWDCの基調講演で触れられたアップルの「Health」アプリは、さまざまなヘルスケア関連の情報を集約し、それをほかのアプリやサービスに連携させる機能もあるようで、これをベースにしたサービスやアプリはありえる話だ。