米Intelは、台湾・台北市で開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2014会場にほど近いホテルのスイートルームで、記者向けプライベートセッションを開催し、開発コード名"Devil's Canyon"こと「Intel Core i7-4790K」のパフォーマンスベンチマークを公開した。空冷ファンすら用いない完全ファンレス環境下で、Devil's Canyonがクロック周波数4.50GHzで安定動作していた。

"Devil's Canyon"の完全ファンレスベンチマークを公開

Devil's Canyonは、オーバークロック動作を前提としたHaswell世代の新型ハイエンドCPUで、いわゆるモデル型番に"K"が付くCPU倍率アンロックモデル。コア/スレッド数が4コア/8スレッド、ベースクロックが4.00GHz、Turbo Boost時は非公開、キャッシュが8MB、対応メモリはDDR3-1600、グラフィックスがIntel HD Graphics 4600というスペック。製品詳細はこちらの発表記事を参照のこと。

Devil's Canyonの概要

なお未確定ではあるが、製品発表時に公開されていなかったTurbo Boostの動作倍率は、今回の取材におけるデモ担当者の話として、最上位のCore i7-4790Kで45倍という設定であるようだ。ほか、Core i7-4790KのTDPが88Wであることも判明した。

今回のベンチマークの環境は、CPUにCore i7-4790K、マザーボードにGIGABYTEのMini-ITXモデル「GA-Z97N-WiFi」(Intel Z97 Express)、メモリは8GB×2枚という構成を、A-Tech社の市販ファンレス対応PCケースに組み込んだもので、電源ユニット含め完全ファンレスの環境となっている。

ケースはA-Techというメーカーの市販ケース。冷却フィンを備えるアルミ素材のケース全体に、ヒートシンクで熱を逃がす仕組み。ベンチマーク中にケースを触ってみたが、動作中でも表面はひんやりしたままだった

マザーボードは、チップセットにIntel Z97 Expressを搭載するGIGABYTEの「GA-Z97N-WiFi」を使用。ハイエンドチップセットを搭載しながら、小型のMini-ITXサイズという点が特徴のマザーボードだ

以上の環境で、4コアすべてを定格4.00GHzから最大4.50GHzまでオーバークロックし、CINEBENCH R11.5によるベンチマークテストを実施。結果はマルチコアテストで「9.71pts」、シングルコアテストで「1.96pts」という高いスコアを記録していた。

完全ファンレス環境で動作クロック4.50GHzを実現

CINEBENCH R11.5のスコアはマルチコアで9.71pts、シングルコアで1.96pts

オーバークロックの上限の高さが注目されるDevil's Canyonだが、ファンレス環境でのオーバークロックの容易さは、発熱の少なさ=電力効率の高さをアピールするものだ。あわせて、「Devil's Canyonの動作クロックのヘッドルームに、大きな余裕があるからできる」(同社担当者)ことでもあるという。

こちらは別のCore i7-4790K動作デモから。空冷ファンを搭載して普通にシステムを組めば、5.00GHz程度は問題なく達成できるヘッドルームがあるようだ

特殊な機材や冷却材などを駆使する"極冷"オーバークロックではさらに"上がる"。今回のCOMPUTEX会場では、6.40GHz動作を達成した例も確認している