米Intelは3日、台湾で開催中のComputex 2014で「Devil's Canyon」の開発コード名で知られるデスクトップ向けCPU「Intel Core i7-4790K」を発表した。現時点で価格は不明だが、6月14日より出荷を開始する。

Devil's Canyonの概要

「Devil's Canyon」は型番に"K"が付いた倍率アンロックモデル。TIM(Thermal Interface Material:CPUコアとヒートスプレッダの間を埋める熱伝導材料)を改良することで、オーバークロックのパフォーマンスが向上したという。

Ivy Bridge世代やHaswell世代のK型番モデル(Core i7-3770KやCore i7-4770Kなど)では、TIMに熱伝導グリスが用いられていた。これまで使われてきたはんだベースのTIMよりも熱伝導率が低く、コアが冷えにくいという特徴があり、これがオーバークロック時の動作を妨げる原因として考えられてきた。そのため、これらのK型番モデルではCPUからヒートスプレッダを引きはがす、いわゆる"殻割り"をしてユーザーがTIMを別のものに変更するといったことも行われていた。

「Devil's Canyon」では、Intelが「Next-Generation Polymer Thermal Interface Material(NGPTIM)と呼ぶ新素材を採用する。これによりCore i7-4790Kのベースクロックは4コアすべてで4GHzに達し、Core i7-4770Kより500MHzと大幅に上回った。また、さらなる変更点としてダイに対して安定して電源を供給するためにキャパシタを追加したという。

HaswellとDevil's Canyonの違い

主な仕様は、コア/スレッド数が4コア/8スレッド、ベースクロックが4GHz、Turbo Boost時は非公開、キャッシュが8MB、対応メモリはDDR3-1600、グラフィックスがIntel HD Graphics 4600。なおSKUにはCore i5-4690Kというモデルも合わせて用意されており、こちらのベースクロックは3.5GHzとなっている。

Intelは「Lynnfield」ことCore i7 880やSandy BridgeことCore i7-2700Kとの比較を公開している。Core i7-4770Kとの比較が気になるところだ