KDDIの田中孝司社長は、五輪開催にともなって競技会場や選手村、ホテル、観光地などで局地的なトラフィック増加を課題として挙げ、公共施設に小型の基地局を設置する際の協力を訴えた。海外では、例えば信号機や街頭に小型の基地局を設置しているが、これまで設置していなかったような設備に基地局を展開することで、トラフィック増をカバーしたい考え。

KDDIの田中孝司社長(左)

都側は、基地局は公益性が高いため、よほどのことがない限り施設への設置を許可していると話すが、公共施設には国なども関係してくるため、そうした取り組みに対する支援を求めた。

災害対策では、都内に10局の大ゾーン基地局を設置して首都圏をカバー。都庁などをカバーする基地局の予備電源、移動電源車の配備などを実施している。

無線LANは、東京近郊に10万カ所を設置しており、スターバックス コーヒー ジャパンや京浜急行電鉄の無料無線LANサービスのインフラを提供するなど、訪日外国人にも使いやすいサービスを展開している。

ソフトバンクの孫社長は、五輪期間中の訪日外国人向けに、無線LANサービスを無料で提供する方針を示しており、ヒアリング前に孫社長と話したという田中社長も、同様の方向性を話した。どのように提供するか、どういう仕組みにするか、といった点は、業界で作る無線LANビジネス推進連絡会での議論になるが、両社は一時的な無料提供には賛同する方針のようだ。