NTTドコモとKDDI(au)から、相次いで2014年夏モデルが発表された。どの機種を買うべきか、迷っている人も多いことだろう。そこで本稿では、両キャリアから発表された人気機種の総合力を比較することで、この夏オススメのスマートフォンを選んでいきたい。

NTTドコモ、KDDI(au)がそれぞれ2014年夏モデルを発表。各社のスマートフォン新モデルを比較してみた

ドコモの夏モデルを比較

まずはNTTドコモ夏モデルから「GALAXY S5 SC-04F」「Xperia Z2 SO-03F」「AQUOS ZETA SH-04F」「ARROWS NX F-05F」を取り上げてみたい。カタログスペックを比較すると、CPUではGALAXY S5が2.5GHzクアッドコア搭載で秀でている。薄さに関してはARROWS NX、AQUOS ZETAの厚みが気になるところ。重さに関してはGALAXY S5が最軽量(約147g)で、最重量のXperia Z2(約163g)との差は約16gとなっている。

NTTドコモ夏モデルの人気4機種のカタログスペックを比較する

KDDI(au)の夏モデルを比較

次にKDDI(au)夏モデルから「GALAXY S5 SCL23」「isai FL LGL24」「Xperia ZL2 SOL25」「AQUOS SERIE SHL25」を取り上げてみたい。CPUではGALAXY S5とisai FLが2.5GHzクアッドコアで他機種に差をつけている。薄さに関してはisai FL、Xperia ZL2が厚い。重さに関してはGALAXY S5が最軽量(約147g)で、最重量のXperia ZL2(約167g)との差は約20gだった。

KDDI(au)夏モデルの人気4機種のカタログスペックを比較する

カメラの機能で比較

カタログの数値では表現できない、端末のオリジナル機能について比較していこう。夏モデルでは、各社ともカメラ性能を向上させている。GALAXY S5では約0.3秒という高速オートフォーカスが特長。音声シャッターや背景をぼかせる選択フォーカス、美肌モードなど多彩なエフェクトも利用できる。逆光の状態でも明るく撮影できるリアルタイムHDRモードなど、実用的な機能も満載しているのが魅力だ。インカメラが広角なのも特筆できる。

リアルタイムHDRは、AQUOS ZETAにも搭載されている。AQUOS ZETAでは被写体を自動認識して構図のアドバイスをくれる、フレーミングアドバイザー機能も搭載している。カメラ機能の多彩さでは、Xperia Z2も負けていない。「プレミアムおまかせオート」を始めとする様々な機能が初期状態で利用できるのが嬉しい。

高性能なカメラ機能を利用する場合、CPUの性能によっては動作が緩慢になってしまうことがある。CPUの性能にカメラ機能が大きく左右されるのだ。この点、2.5GHzクアッドコアを搭載するGALAXY S5とisai FLなら安心できるだろう。

そのほか端末選びのポイント

スマートフォンが高性能になり、多くの個人情報を貯めこむようになった。また最近では決済の手段としての役割も担うようになっている。こうなると、盗難や紛失した際の心配が大きくなる。iPhoneにも導入された「指紋認証」が利用できると心強い。夏モデルで指紋認証が利用できるのは、GALAXY S5とARROWS NXのみとなっている。

また長期間使用していると、どうしても内蔵電池の”へたり具合”が気になってくるもの。電池の取り外しができない機種の場合、ショップにて有料で交換してもらわなくてはいけない。この際、内蔵のデータなどは消去されてしまうことがある。しかし電池の取り外しができる機種(GALAXY S5など)なら心配がいらない。予備電池を持ち歩くことも可能だ。このあたりの使い勝手の良し悪しも、端末選びの大きなポイントになってくるのではないだろうか。

コスパが良い端末はどれ?

では、コストパフォーマンスに優れている端末はどれだろうか? 利用者にとって、これが最も気になる話題かも知れない。実はメーカーやキャリアからのサポート具合により、端末の価格は大きく異なるのだ。

実質負担額が最も安いのはGALAXY S5だ。買い方にもよるが、例えば新規では1万円台で購入できる。XperiaやAQUOSといった競合機種が軒並み4万円以上かかることと比べると、とても意外な気がする。どのようなからくりになっているのだろうか?

NTTドコモでは、毎月の割賦金を割引する「月々サポート」を提供している。この月々サポートを比較すると、機種変更ではXPERIA Z2、AQUOS ZETA、ARROWS NXが1620円/ 月の割引であるのに対して、GALAXY S5は2295円/ 月の割引となっているのだ。割引総額は、24カ月で55,080円にもなる。新規でのGALAXY S5の月々サポートは3294円/ 月で、24カ月での割引総額は79,056円。端末の定価が89,856円なので、差し引き10,800円。1万円台で買えてしまうからくりは、この月々サポートにあるわけだ。なお、MNP(番号ポータビリティ)を利用してKDDI(au)のGALAXY S5 SCL23に乗り換え、誰でも割を適用した場合は、実質負担額が0円になる。機能面でも競合機種をリードしており、価格の面でも圧倒的に安い。GALAXY S5は抜群のコストパフォーマンスと言える。

ちなみにGALAXY S5は、サムスン電子がグローバルで販売するモデル。同社によれば、発売後1カ月で1100万台を突破したという。NTTドコモから発売されるGALAXY S5では、LTE通信を利用した音声通話「VoLTE」、下り最大150Mbpsを実現する「キャリアアグリゲーション(CA)」の利用が可能だ。面白い機能としては、背面に搭載されたセンサーに指を当てることで心拍数を計測できる。同社製のアプリ「S Health」と連動させることで、万歩計や消費カロリーなども計算できる。さらに腕時計型ウェアラブル端末「Gear 2」「Gear Fit」と連携させ、電話やLINEなどの通知を腕で確認することも可能となっている。詳細は同製品のWebサイトで確認できる

(執筆:大石はるか)