履歴を最大10まで保存

文書ファイルなどは、時間とともに変更を行っていくことがある。AOSBOX Coolではバックアップ時に、ファイルの変更があると、自動的に履歴を保存する。ここでは複数の変更を行い、その都度、オンラインバックアップを行った。復元ユーティリティを起動し、[(世代の表示)]をクリックすると、図21のようになる。

図21 世代の表示

最新を除き、10世代分のファイルがバックアップされている。ここで、どの世代かを選ぶ。あとの手順は、図15~図17と同じである。

さて、AOSBOX Coolを使ってみての印象であるが、まず感じたのは、非常に簡単なことだ。最初の設定で必要となるのは、バックアップの対象くらいである。そして、重要なことだが、復元が容易であることだ。単純な復元と履歴の復元の2つの手順を紹介したが、いずれも直感的に行うことができる。

そして、注目したいのは、オンラインストレージをバックアップ対象としていながら、ファイルの転送速度は非常に速いことである。最近では、クラウドを使った各種のオンラインストレージサービスやファイル共有・同期システムがある。筆者もこれまでいくつか試してみたが、サービスによっては転送速度に不満を感じることがあった。最近では、データファイルのサイズはかなり肥大化している。特に、動画などを扱うユーザーならば、GB単位になることも少なくない。それらのファイルをオンラインでバックアップするには、転送速度は重要な要素である。高速モードを使えば、1GBが5分未満でバックアップ完了した。最初のバックアップは状況によっては、かなり時間がかかるかもしれない。しかし、以降はそんなに負担を感じることはないはずだ。

不満があるとすれば、コールドストレージなので、復元まで時間がかかることである。もし、すぐに復元をしたいのであれば、AOSBOXを選べばいいだろう。ただし、容量が50GBまでとなる。

そして、最後に「バックアップは安全な場所に保存する」、これがもっとも安心感を高めてくれる。インストール手順で紹介したように、2週間の無料体験版がある。従来のバックアップに、満足できていないようあれば、試してみてもよいであろう。