前置きが長くなったが、お茶PRESSOはただのティーマシンではなく、「ヘルシーなお茶」を入れられる"お茶メーカー"というわけだ。

お茶PRESSOの特徴は前述の通り、茶葉を粉末にして無駄なく使えること。急須で入れるのと違って茶殻が出ないため、お茶の栄養成分がまるごと取り込める。茶葉にはビタミンAやビタミンC、ビタミンE、カテキン、食物繊維、クロロフィル、テアニン、カフェインなどの栄養成分が含まれているが、急須ではこれらの約7割は茶殻として捨てられてしまう。

商品コンセプトは「挽く」「沸かす」「点てる」を一台で実現し、本格的なお茶を楽しむこと(写真左)。緑茶だけでなく紅茶やほうじ茶、それらを利用したラテなども作れる(写真右)

例えば同社の試算によれば、同じ一杯のお茶で比較した場合、抗酸化作用があると言われるカテキンは、急須で淹れたときの約1.9倍も摂れるという。また、急須で入れると消臭効果のあるクロロフィルや腸を整える食物繊維は一切摂れないが、お茶PRESSOで淹れた場合はいずれも100%摂取できる。同社では日本食物分析センターに依頼して、100mLあたりクロロフィルが約1.1mg、食物繊維が約88.2mgが摂取できるという分析結果を得たと公表している。

さらに一杯あたりの茶葉の量が急須で飲む場合の三分の一で済むことから、約3倍リーズナブルな飲茶生活が送れる点も魅力のひとつ。健康的かつ経済的となれば、普段、お茶を飲む習慣のない人でも、「しばらく飲んでみようかな」と興味をひかれるのではなかろうか。

新規事業推進プロジェクトチーム 首都圏駐在 主事 川村有里氏(写真左)。ポットからお茶を注ぐレバーにはチャイルドロックが用意されており、小さな子供のいる家庭でも安心だ(写真右)

お湯の代わりにホットミルクを用意すると抹茶ラテも簡単に作れ、茶葉をほうじ茶や紅茶に替えたり、粉末にしたお茶をお菓子や料理の食材にするといったこともできる。製品には「お茶レシピ」のメニュー集が同梱されるので、料理好きにとってもレパートリーを増やせる便利なアイテムになりそうだ。

製品の特徴を聞きながら試飲してみると、まずお茶のふくよかな香りに鼻腔をくすぐられ、実に心地良い。急いで飲むのはあまりにもったいない。ゆっくり口に含むと、苦味の中に甘みが感じられ、「美味しいにがさ」を実感できる。決してにがすぎることはないので、ブラックコーヒーが苦手な人でも味と香りが楽しめるはずだ。

お盆にお茶菓子も添えれば、風情のあるおもてなしが実現できる

会場でデモンストレーションを見たり、実演で試飲しているうちに筆者の物欲もむくむく起き上がってきた。疲れて帰宅した一日の終わりや、休日ののんびりした夕暮れ時などに「ほっ」と一息つくには魅力的なアイテムに見える。とはいえ、普段からお茶を飲む習慣がほぼない独身男子の筆者としては、この商品を飽きることなく有効に使い続けられるか一抹の不安を禁じ得ない。

一つ期待できる使い途は、自宅ではなく事務所に置いてしまうこと。社内のみんなと一緒に共有すれば、自分だけで飲むよりは間違いなく長続きする。激務の合間のリラックスタイムに使うにはうってつけだし、社員の健康維持にも一役買いそうだ。来客のときも、急須で入れたお茶や冷えたペットボトルのお茶などを出すより、お茶PRESSOで淹れた抹茶のほうが印象が随分変わってくるし、話のタネにもでき、一種の営業ツールとして活躍するかもしれない。

自宅や職場で使うだけでなくプレゼントにするのも良いだろう。母の日(5月の第ニ日曜日)や父の日(6月の第三日曜日)が近いことだし、5月は新茶のシーズンでもある。長寿を願って茶葉と一緒に本機を贈り物にすれば大いに喜ばれるに違いない。