興味深い話としては、同氏自身のストーリーを掘り下げる記事も出始めたことだ。CNBCでのインタビュー動画のほか、日本のユーザーにも興味深いのはBloombergの「How Steve Jobs Got the iPhone Into Japan (Steve Jobsはどのように日本にiPhoneを持ち込んだのか)」という記事だ。同氏がAppleとの日本での独占販売契約を獲得するまでの初期の話がつづられているなど、ソフトバンクがVodafoneを買収してまで携帯キャリアになりたかった理由が記されている。日本でのスマートフォン市場におけるiPhoneシェアが4分の3という、海外の人間には不思議なデータも紹介されており、改めてこの特異な市場が日本で形成された過程にも注目が集まるかもしれない。

正直、第一印象は最悪に近い感じの孫氏の米国デビューではあるが、今後同氏が日本でそうであったように周囲の反発を押し切って携帯業界再編を実現できるのか。2014年はその前哨戦となる年であり、今後2~3年を経るなかで評価が固まっていくだろう。