MathWorksは、同社の「MATLAB/Simulink」ファミリの最新版「Release 2014a(R2014a)」の提供を開始したことを発表した。

R2014aでは、MATLABおよびSimulinkの新たな機能に加え、81製品のアップデートおよびバグフィクスが行われたという。

MATLABプロダクトファミリとしては、「Raspberry Pi」およびWebカメラハードウェアサポートパッケージが追加されたほか、MILP(混合整数線形計画法)ソルバーの「Optimization Toolbox」や対象ごとの複数の測定を含むデータに対して反復測定モデリングを行う「Statistics Toolbox」、MATLAB Coderによる25個の関数のCコード生成および5個の関数のGPUによる高速化対応が可能な「Image Processing Toolbox」、状態空間モデル、欠損データのあるカルマンフィルターの自己キャリブレーション、およびARIMA/GARCH モデルの性能強化が施された「Econometrics Toolbox」、相対曲線の作成、信用リスクおよびリスクプロファイルを計算するための関数、およびキャップ、フロア、スワップションの価格設定を行うBlackモデルの「Financial Instruments Toolbox」、モデル推定の関数統合およびモデル調査のためのデスクトップ機能の強化が図られた「SimBiology」、逐次最小二乗推定器およびオンラインモデルパラメータ推定ブロックの「System Identification Toolbox」といった各種Toolboxの追加、拡張が行われた。また、クライアントとサーバ間のセキュアな通信および動的リクエスト作成が可能な「MATLAB Production Server」も追加されている。

一方、Simulinkプロダクトファミリとしては、Simulinkに、モデルに関連付けられた設計データを定義および管理するためのデータディクショナリや、マルチコアプロセッサとFPGAをターゲットとしたアルゴリズム分割および実装のための単一モデルワークフローの追加に加え、「LEGO MINDSTORMS EV3」、「Arduino Due」、および「Samsung Galaxy Androidデバイス」の組み込みサポートも追加された。

また、Stateflowチャートの状況依存タブ補完機能や、「Simulink Real-Time」では計測パネル、高解像度ターゲットディスプレイ、FlexRayプロトコルのサポート、およびxPC TargetとxPC Target Embedded Optionの機能統合が図られたほか、STEPファイルのインポート、およびジョイントの総拘束力計算の「SimMechanics」、Simulink Web表示に豊富な情報を表示するためのオブジェクトインスペクタとインフォーマを提供する「Simulink Report Generator」なども追加されている。

さらに、MATLABおよびSimulinkでの設計用システムツールボックスとして、ステレオビジョンおよびOCR(光学式文字認識)関数をサポートした「Computer Vision System Toolbox」もサポートした。

このほか、コードの生成として、AUTOSARツールでの変更をSimulinkモデルへ結合するためのサポートやNe10ライブラリを使用したARM Cortex-A用に最適化したコードの生成が施された「Embedded Coder」や、列挙型データのサポートとクロック周波数駆動型自動パイプラインの「HDL Coder」、 Alteraハードウェア用JTAGに対するFPGAインザループの提供を行う「HDL Verifier」なども提供されている。