ただ、この日はそれほど気温も上がらず特に問題はなかったが、これからの時期、気温が上昇してくると日中は空気の揺らぎが大きくなる。当然、超望遠ではそれが顕著に見えてしまうわけで、カメラ性能の良さゆえに画質が乱れてしまうということも念頭に置いておきたい。

焦点距離377mm相当 1/125 f5.6 ISO400(原寸大画像を見る)

焦点距離750mm 1/160 f6.9 ISO200(原寸大画像を見る)

じゃあ、ズーム倍率が30倍もあったって仕方ないじゃん、と思われるだろうか。いやいや、決してそんなことはないんですよ、それが。何も遠景を撮るだけが望遠の使い方ではないのだから。実は今回、PowerShot SX700 HSを使っていて強く感じさせられたのが、そのことだった。というのも、近付くとすぐに逃げてしまって、普段なかなか接近して撮影できない動物たちの表情を撮るのに、本機が非常に適していることに気付いたからだ。

ネコもスズメも、きわめて警戒心が強い。NHKの番組で、海外の野良ネコと友だちのように会話する岩合先生のような方はともかく、普通の人では道端で目が合った瞬間にダッシュで逃げられてしまい、とても写真どころではない。が、ネコが警戒する間合いの外からなら、こんな居眠り中の顔を大写しで撮影できる。

また、ズーム倍率が高いということは、すなわち画角の選択肢が豊富であることに他ならない。これも高倍率ズーム機の大きなアドバンテージだ。被写体の大きさ、被写体までの距離、切り取りたい画角、それらの自由度が圧倒的に高いうえに、高い描写力と撮影補助性能を持つPowerShot SX700 HS。そのスリムサイズも相まって、常にポケットに入れて持ち歩きたくなる一台だ。

1/2.3型センサーのコンデジで、これがかんたんに撮れる。645mm(相当) 1/1000 f6.3 ISO250(原寸大画像を見る)

デジタルテレコン(2.0倍)を使用。日没間際。焦点距離1,500mm相当 1/1000 f6.9 ISO1000(原寸大画像を見る)

焦点距離25mm相当 1/800 f4.0 ISO100(原寸大画像を見る)

焦点距離305mm相当 1/250 f5.6 ISO250(原寸大画像を見る)

焦点距離98mm相当 1/8 f8.0 ISO100(原寸大画像を見る)

内蔵フラッシュの調光の上手さは、さすがの領域。焦点距離51mm相当 1/160 f4.0 ISO800(原寸大画像を見る)