What's Appを使うインセンティブが料金を安く上げることであるとすれば、Appleは料金をかけないという点はもちろん最大限に叶えつつ、同じアプリのインターフェイスから「メッセージをできる限り相手に届ける」というコミュニケーションや通信の信頼性を高める考え方が採用されているように感じる。

同じ電話番号とアプリを利用するというわかりやすさと統合された環境、そしてコミュニケーションサービスの本質を意識した仕組みは、携帯電話サービスとインターネットの中間的な位置づけで利用者の目的を叶えるバランス感覚の良さが、Appleにとってメッセージング分野への自信になっているのではないだろうか。

メッセージングサービスの利用数と機能の拡張

AppleはiMessageの流量について、2013年第1四半期の決算発表で毎日20億通、5億台以上のiOSデバイスで行き交っているというデータを披露している。またiPhoneだけでなく、iPod touchやiPad、そしてMacのメッセージアプリでも、電話番号やApple ID、登録したメールアドレスを受信アドレスとしてiMessageをやりとりできるようになった。

例えば、電話番号宛に届いたiMessageを、同じApple IDでログインしているMacからパソコンのキーボードで返事をする、といったこともできるようになった。また電話番号がないWi-FiモデルのiPadやiPod touchもiMessageのコミュニケーションに参加することができ、通信相手が増えたり、複数のデバイスからコミュニケーションが取れるなど、SMSよりも相手や自由度が増えたメッセージ環境を実現している。