2,560×1,440ドットの画面と使い勝手をチェック

解像度2,560×1,440ドット(WQHD)を誇る11.6型IPS液晶は発色も良好、かつ視野角も広く見やすい。ブラウザの文字表示や写真の一覧性の高さは並のUltrabookの比ではないが、「Photoshop CC」など高DPI環境に適応しきれてないアプリで使うとメニューなどの文字が小さすぎて読みにくい。写真編集用よりも観賞用として使うほうが向いているようだ。

Windows8.1では自動的にDPIスケーリングが大きくなるため、デスクトップが広くなるというよりも文字表示がリッチになる方向に解像度が使われる。写真では2画面並べるのがやっとだが、小さい文字もつぶれずに読みやすい

WQHDだけあって高解像度の画像でも全貌を把握しやすい。発色は鮮やかで見やすい印象だ

ボディが薄いためインタフェースは厳選されているが、両側面にPowerShare対応のUSB 3.0ポートを1基ずつ、さらにHDMIとSDカードリーダを用意しているので不足は感じない。有線LANは非搭載だがIEEE802.11ac対応の無線LANを備えている。

左側面には給電機能付きUSB 3.0とHDMI出力などを配置。中央やや右はスピーカー、そして右端はボリューム調整ボタンだ

右側面のUSB3.0も給電機能付き。その横にSDカードリーダがある

ヒンジの奥に排気口を設けている。タブレットなどに変形してもエアフローが得られるように工夫してある

ACアダプタは55×88×22mmと小さいが、ワールドワイド展開モデルだけにケーブルが太め

ちょっと細かいかもしれないが、New XPS 11のUSB 3.0ポートはノートPC形態のときに通常と表裏逆になるように設計されている。そのため、USBメモリやケーブルの“逆挿し”にしばらく悩んだ。これはタブレット形態のときに合わせてポートが配置されたのだろう。

タブレット形態時にUSBメモリの表がくるように設計されているため、ノートPC形態では裏向きに装着する

評価の分かれるキーボード

New XPS 11のデザインのポイントとなるのがキーボードだ。通常のパンタグラフ式ではなく、タッチ式になっている。SurfaceのTouch Coverと同じ仕組みだが、ノートPCでこのタイプのキーボードを採用したことが非常に目新しい。

New XPS 11のキートップは0.5mm程度飛び出しているように見えるが、叩いても凹むことはない。Windows 8のソフトキーボードと同様に、打鍵時は「ポッポッ」という音が出るようになっている(設定で消音可能)。

11.6型画面の小さなボディーでも19mmのキーピッチを確保。上下左右の端がパームレストなどと一体化している点に注目

この構造を採用したのは、タブレット形態時にキーボードが底面にくるため。従来のような物理的なキーでは、本体を滑らせるように動かすと、キートップを破損させる可能性がある。タッチにすればメカ部分が省略できるし破損の心配もゼロ、という合理的な判断だ。

キーとキーの間には0.5mmほどの溝が設けてあるため、思ったほどミスタッチは起こりにくい。キートップの触感は柔らかく、指先も痛くならない

キーとキーの間の溝や触感にこだわった点は認めるが、操作感は物理キーボードに数歩劣る。1秒に2~3キーほどのゆっくりした速度でキーを叩くなら問題はないが、ダダダーッと入力してみるとタイプミスが増える。「CtrlとShiftを押しながらA」のような複数キーを使うショートカット操作を失敗することも多かった。タブレット形態になるからタッチキーボードという発想は理にかなっているが、使い勝手に関しては発展途上段階であると感じた。