まとめと考察
ということで駆け足で性能をご紹介してきた。取りあえずRadeon R7 265とGeForce GTX750 Tiの2つは、どちらもミドルレンジの穴を埋める製品であるが、考え方が大きく違う事が明らかになったといえる。
Radeon R7 265は、上位のRadeon R9 270にかなり近い性能を149米ドルという価格帯に持ち込む事を優先した構成であり、その性能/価格比は非常に良いと思う。その一方で消費電力的には上位のRadeon R9 270と殆ど同じであり、省電力を狙うユーザーにはお勧めできない。このあたりは次世代コアを待ちたいところだ。
他方GeForce GTX 750 Tiは、GeForce GTX 650 Tiを下回る消費電力でありながら、性能面での改善を実現した、これまた優秀な製品である。省スペースPCとか、とにかく性能/消費電力比を追及するユーザーには非常に向いていると言える。しかし、絶対的な性能の改善という意味では微妙なところだ。
今回はテストできなかったが、過去のベンチの結果を考えると、GeForce GTX 650 Ti Boostにはおそらく及ばないだろう。
つまりGeForce GTX 650 Ti Boost以上の性能を期待するユーザーにはお勧めできないことになる。こうしたユーザーは、同じくMaxwellベースのより高性能なモデルが出てくるまでお待ちいただくのが無難な選択だろう。
ただ実際のところ、それより大きな問題は実売価格である。例えばRadeon R9 270は、既に安いものは2万円を切っている(2月18日における価格は19,517円)。
Radeon R9 260は17,000円未満(2月18日における価格は16,544円)だから、Radeon R7 265は当然この間にあってほしいと望まれるはずだ。初値が多少高くなるのは仕方ないとしても、せめて21,000円は切ってほしいし、切ってくれれば売れそうだ。
同様にGeForce GTX 760は24,000円弱(2月18日における価格は23,998円)、GeForce GTX 650 Ti Boostは18,000円弱(2月18日における価格は17,998円)、GeForce GTX 650 Tiは14,000円弱(2月18日における価格は13,980円)という状況では、期待値としては16,000円~17,000円のあたりで、初値でも20,000円を超えるとさすがに「それはないわ」という気になる。
もちろん、省電力に高い価値を見いだせる人も居るだろうが、今回はミドルレンジの製品であるし、そういったユーザーが多数派とは考えにくい。逆に言えば、それぞれそのあたりに値段が落ち着いたらお買い得という気がする。あとはいつごろになったらそこまで値段が落ちるか、だろう。