考察とまとめ

ということで簡単にMantleの性能評価をお届けした。最初に説明したとおり、MantleはGPUの性能をフルに発揮させる以上の効用はなく、実際にテスト結果もこれを裏付けた。

RADEON HD 7970(無印)とMantleを組み合わせても、GeForce GTX 780に迫るのはかなり難しいし、A10-7850K+内蔵グラフィックの組み合わせで効果が発揮できるのは、画面負荷の少ない低解像度に限られるだろう。とはいえ、既に強力なビデオカードを持ち合わせていて、でも性能が上がらないなんてケースでは効果的に思える。

理屈から言えば、やはりCPUネックが目立つS.T.A.L.K.E.RとかWarhammer 40000: Dawn of War II - Chaos RisingなどがもしMantleに対応したら、効果は大きいように思えるのだが。

Mantleへの対応にはゲームエンジンの根本的な対応が必要になるし、最適化に関してはアプリケーション側でもMantle向けの作り方を多少考慮した方がいいだろうから、当面はBattlefield 4のみということになるだろうし、理屈はともかくIntelやNVIDIAが素直にMantle対応ドライバを出すとは思えないから、当面はAMDプラットフォームのみの対応が続くだろう。

そんな訳で、極めて限定されたプラットフォーム+ソフトウェアの組み合わせであり、しかも効果が出るのは限られたシーンではあるが、確かに説明通りの効果はありそうに思える。ただ逆に、GPU性能を引き上げられる魔法のツールなどと考えると、Mantleの本質を見誤ってしまうので注意してほしい。