Windows転送ツール、多少の制限はあるが…
このように、手順に従っていくだけで、かなりのユーザーデータを8に移行することができた。当然ながら、制約もある。なんといっても大きいのは、8.1へ直接移行できないことだろう。手間はかかるが8へ移行し、8.1にアップグレードするという方法が考えられる。しかし、8.1プレインストールPCなどでは、解決策は市販の移行ツールを使うしかないだろう。
また、お気に入りなどIEには対応するが、FirefoxやChromeには対応していない(これらは同期ツールなどでなんとかなるだろう)。Windows転送ツールを使っていて、意外なことができたので報告をしておこう。Thunderbirdのメールや設定などは、C:\Documents and Settings\ユーザー名\Application Data\Thunderbird以下に保存される。普段は、隠し属性が設定されて見ることはできない。そこで、[フォルダオプション]の[表示]タブで、[すべてのファイルとフォルダを表示する]にチェックを入れる(図27)。
この状態で。Windows転送ツールを起動する。図14で、Thuderbirdのフォルダを選択するのである(図28)。
こうして転送データを作成すると、Thuderbirdのアカウントやメールボックスも移行ができた。資料などを調べたのだが、公式にサポートされた機能かはわからなかった。8では、プロファイルの保存場所は、C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Thunderbird以下でXPとはかなり異なる。アプリの設定は、こちらに移行しているのだろう。ちなみにFirefoxも同じ作業をしたところ、既存のプロファイルの変更(profile.iniファイル)を修正する必要があった。これは先に別プロファイルが作成されているからだろう。
このように、少し工夫することで、さらにユーザーデータを移行できる可能性もある。しかし、このレベルになると、ミスをした場合、最悪の事態もありうる。必ずしもすべてのユーザーにオススメできる方法ではない。もし行う場合は、自己責任でお願いしたい。
今回は無料のツールであったが、次回以降は、有料のサービスを取り上げてみたい。