説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「なぜプッシュ通知してくるアプリが増えたのでしょう?」という質問に答えます。

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iOS 3.0(当時の名称はiPhone OS 3.0)で登場した「プッシュ通知」は、いまや多くのアプリが利用する機能となりました。スリープ中に表示されるダイアログ、ホーム画面上部に表示される細長いバナーは、効果音やバイブレーションでユーザに注意を促します。内容はアプリによりさまざまですが、アプリの更新やコンテンツの追加というタイミングで送信されてくることが多いようです。

アプリを提供する側にとって、プッシュ通知はかなり魅力的な機能です。通信回線は3G/LTEとWi-FiのいずれもOK、通信不能な状態にないかぎり、アプリによるプッシュ通知を許可したiPhoneへほぼ一瞬で最新の情報を届けることができます。送信できるデータ量は最大256バイト、日本語ならば数十文字程度のメッセージを託せます。短いながらも任意のタイミングで任意のメッセージを送信できるわけですから、アプリの継続利用をうながすにはかなり効果的な機能といえます。

プッシュ通知を許可するかどうかの設定は、初めてアプリを起動したときに行います。許可すると、iPhoneからは個人情報を含まない一意の文字列(トークン)が送信され、以降アプリ開発者はそのトークン宛てにプッシュ通知を行うしくみです。アプリを削除すればプッシュ通知は届かなくなるうえ、プッシュ通知を受け取らない設定にもできますから、ユーザの負担もそれほど大きくはありません。

手間のかかるユーザ登録を強いることなく任意のタイミングで多数のユーザにメッセージを送信でき、効果音など注意を引きつけられる仕組みがあり、「通知センター」のようにあとでまとめて参照できるスペースも用意されている……注意喚起にはもってこいの機能ですから、ゲームやニュース購読アプリが次々プッシュ通知に対応するのも無理はないでしょう。

アプリにプッシュ通知機能を用意しておけば、多数のユーザに任意のタイミングで任意のメッセージを送信できるので、低コストで大きな集客効果を生み出せます