2014年、スマートフォンにどんなことを期待したらいいのだろう。端末の進化?ウェアラブルデバイスとの連携? それとも別のところに? ITジャーナリストの松村太郎氏に「2014年スマートフォンに期待すること」を綴ってもらった。

松村太郎(まつむらたろう)ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を追求している。iPhoneは2007年から使い始めている。スペックや機能ではなく、「実際に利用してどうなるか」という視点から、テクノロジーを紹介している

2013年のスマートフォン

2013年、スマートフォンは「成熟」というべき1年だった。

AppleはiPhone 5sをリリースし、スマートフォンとして初となる64ビットプロセッサ「A7」やモーションコプロセッサ「M7」、指紋センサー「Touch ID」といった新しいハードウエア的要素を投入しているが、デザインはiPhone 5と同じで、マイナーアップデートの色が強い。

Androidも、7インチクラスに人気のタブレットがあり、スマートフォンとタブレットの中間にあたるファブレットという定義も生まれたため、画面サイズの拡大などの進化も一段落してしまった。

スマートフォンの進化がなかった代わりに、Google GlassやGALAXY Watchのようなウェアラブルデバイスの増加が起きている。いずれもまだまだスマートフォンに比べれば必然性や操作性に欠け、先行しているGoogleやSamsungがAppleに与えている「隙(すき)」とも取れるし、決定打がない中で真新しい製品を投入し「革新的」「再発明」とアピールするAppleの姿も少し想像ができる。おきまりのパターンになりつつあるが、2014年に期待していることでもある。

筆者は2014年のスマートフォンに対する期待として、次の3点を挙げたい。

  • ハードウエア:スマートで1日以上持つバッテリーとSIMロックフリー

  • ソフトウエア:生活リモコン化、もしくはモバイル・ハブ化

  • プライバシーやセキュリティ、利便性を両立する「カギ」化