Mailbox

Mailbox

2013年に仕事に使うアプリで最もインパクトを与えたのは、メールアプリ「Mailbox」だった。Mailboxは、Orchestraというタスク管理のアプリを開発していた企業が作り出した、アプリ。メールの読み書きと言うよりは、メール管理、あるいはメールを管理することで仕事を効率化しようという思想が透けて見えるアプリだ。

その特徴は操作性だ。メールを左右にスライドさせながら、アーカイブや削除、後で通知するといった振り分けをスマートにこなすことができるアプリだった。筆者にとっては、このアプリによって、「メールそのものが悪もしくは憂鬱な古い技術なのではなく、メールを扱うインターフェイスが古かっただけだ」ということに気づかされた。

登場当初はGmailもしくはGoogle Appsのメールアカウントのみに対応していたが、2013年内にYahoo!メールやiCloudアカウントにも対応を果たした。またiPad版もリリースされており、パソコンのメールソフトからのメールの読み書きよりも、Mailboxを使ってiPhoneやiPadでメールを読む方が便利、とまで思うようになってしまった。 Gmailには、「受信トレイ」と「すべてのメール」(アーカイブ)が用意されている。新着メールは「受信トレイ」に入ってくるが、処理済みのメールは「すべてのメール」に移動させて整理することが奨められている。Mailboxは、新着メールをスワイプするだけで「すべてのメール」に移動させる事ができ、「受信トレイ」が空になると、Mailboxのアイコンに透けて、季節の写真が表示され、一仕事終えた感覚が心地よい。

LINEやFacebookメッセンジャーなどのアプリは、どちらかというと「絶え間なく続く連続的な会話」をイメージさせる吹き出しのデザインだ。もちろん多少時間が空いても会話が継続できる点で、このインターフェイスも良い。ただ、仕事でメールを使う場合、絶え間なく続くのは気が重い。1通あるいは1つのスレッドで仕事を片付けていく感覚の方がフィットする。

Mailboxは、メールが仕事を整理してくれる道具として再認識させてくれた。再びメールを好きになるきっかけとも言えるだろう。

ちなみに、Mailboxは、Dropboxに買収されている。