海外自動車メーカー勢の自動運転技術

このほか、基本、ACC機能の公道での同乗走行デモが行われたのが、BMW、GM、ボルボの外国車勢だ。BMWは「ActiveHybrid 7L」(税込み価格1340万円)を使用し、公道で「プレミアム・アクティブ・クルーズ・コントロール(プレミアムACC)」機能を中心に、衝突回避・被害軽減ブレーキなどのデモも披露した。これらの機能は、フロントウインドウ中央上部の車内に備えられたカメラと、フルレンジレーダーの組み合わせで実現している(画像7・動画5)。

また同車は車線逸脱防止支援システム「ドライビング・アシスト・プラス」も備えており、レーンをはみ出そうになると、ステアリングがブルブルと震えてドライバーに警告する仕組みだ。逸脱をアラートで警告する車も多いが、ステアリングが震えるので操舵に問題があるのが直感的にわかりやすくなっている。

画像7。ActiveHybrid 7L
動画5。BMWのプレミアム ACCと衝突回避・被害軽減ブレーキの同乗走行公道デモ

ボルボは、個人的にリアビューが格好良いと以前から思っていた3ドアハッチバック車「V40」(税込み価格269万円)での公道デモを実施。ACCおよび縦列駐車支援システム「パーク・アシスト・パイロット(PAP)」のデモが披露された。車間を保って前走車に追従するACCや、車線逸脱を警告する「レーン・デパーチャー・ウォーニング」は他社と同等の感じだが、V40で感心させられたのは、ドアミラーの死角になる車両の左右後方にいる車両(バイクや自転車も含む)を検知する「ブラインド・ライト・インフォメーション・システム(BLIS)」と、道路標識(通常の標識と路面の両方)をカメラが読み取って制限時速などをインパネに表示する「ロード・サイン・インフォメーション・システム(RSIS)」だろう(制限速度が表示されるだけで、速度リミッターが実際にかかるわけではない)。動画では、その2点の機能に加えて、PAPの様子をご覧いただきたい(画像8・動画6)。

画像8。V40を後方から。V40はこのリアのデザインが格好良いと個人的には思う
動画6。V40のBLIS、RSIS、PAPの様子

同乗走行スタイルの公道デモの最後はGMだ。GMは、高級車ブランドのキャディラックの「SRX CROSSOVER Premium」(税込み価格635万円)を使用して、2010年代後半の量産化を検討して開発中の半自動運転システム「スーパー・クルーズ」のデモを行った(画像9・10)。ただし、ACC、前方衝突前警告「フォワード・コリジョン・アラート」、車線逸脱警告「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」、警告振動付きシート「セーフティ・アラート・ドライバーシート」などはすでに実用化されている。

また、同車もボルボの「V40」と同様に、ドアミラーの死角となる左右後方に車両がいる時に警報ランプを点灯させて教えてくれる仕組み「サイド・ブラインドゾーン・アラート」を持つ(ドアミラーの一部が光る)。基本、他車との機能的な差はあまりなかったので、動画は割愛させていただく。

ただし、同車は運転席回りのゴージャスさ(特にセンターコンソールパネル類)は一見の価値があり、価格的にはもっと高額なレクサス LS600hLやBMW ActiveHybrid 7Lよりも派手さがあり、さすがは"アメ社の王様"といわれるブランドの最新車両だけはあるという感じだ。

画像9(左):キャディラック SRX CROSSOVER Premium。 画像10(右):ゴージャスな車内。センターコンソールのモニタの青がまた非常に目を引いた