2014年春にはSurfaceの小型版として、7.5インチディスプレイを搭載した「Surface Mini(仮称)」が発売されると、The VergeCNET Newsなど海外メディアが報じているが、今週の話題は9月23日(現地時間)に発表された新Surfaceだろう。

現行のSurface RTに対する新モデルとして「Surface 2」、Surface Proは「Surface Pro 2」となり、ハードウェア構成やバッテリー駆動時間の延長を実現したデバイスだ。現時点で日本国内の販売タイミングは不明だが、各モデルのハードウェアスペックを中心に新Surfaceに関するレポートをお送りする。

順当なバージョンアップを実現した新Surface

Microsoftは2013年9月23日(現地時間)、Surfaceシリーズの新モデルを発表した。ARM製SoC(System-on-a-chip)を搭載したSurface RTは「Surface 2」に、Intel製CPUを搭載したSurface Proは「Surface Pro 2」へと改称し、ハードウェアスペックを向上させている。一見すると唐突の発表に感じるかも知れない。だがSurface RTは2012年10月26日、Surface Proは2013年2月9日に世界各国で発売されており、初代モデルから1年後となる10月22日の発売は決して早急とは言えないだろう(図01)。

図01 2013年10月22日に発売されるSurface 2(左)とSurface Pro 2(右)

とはいえ日本国内は2013年3月15日(Surface Proは2013年6月7日)と遅めのリリースであり、今回の発売対象国は米国を中心とした22カ国。11月上旬には中国が対象に加わるが、日本国内の発売時期は不明だ。ただし、新モデルの発表を受けてか、日本マイクロソフトは既存のSurface RTの本体価格を3,000円から5,000円、Surface Proは10,000円の値下げを実行した(プレスリリース)。

Surface RTおよびSurface Proを購入した1ユーザーとしては、バージョンアップを歓迎すると同時に、自身が所有するデバイスが"型落ち"になることを残念に思うが、Surface 2/Pro 2を購入したユーザーには、1年間のSkype通話権と無制限のSkype Wi-Fi使用権、SkyDriveの容量200ギガバイトを2年間無償提供すると言う。いずれも魅力的なキャンペーンだが、執筆時点での200ギガバイト容量プランは8,000円/年のため、一度その環境に慣れてしまうのは少々怖い気がする(図02)。

図02 2013年9月時点のSkyDrive容量プラン。200ギガバイトは8,000円/年の支払いが必要となる

ところでSurface 2/Pro 2のスペックは各記事で報じられているが、具体的な変更点をまとめているものを見かけなかったので、今回初代モデルと新モデルを比較する表を作成してみた。あくまでもプレスリリースをベースにまとめたものであり、後日Microsoftが公表するスペックシートと異なる場合があることを承知してほしい。図03はSurface RTとSurface 2を比較したもので、変更箇所は太字に加工した。「Office Home & Student 2013 RT」はそもそも日本未発売のため、Surface 2が日本に上陸する際は、PersonalもしくはHome and Businessエディションに置き換わるだろう(図03)。

図03 Surface RT/Surface 2の比較

図04はSurface ProとSurface Pro 2を比較した表だ。ハードウェアスペックの変更が主な変更箇所だが、さらなる省電力技術が導入されたHaswellマイクロアーキテクチャに置き換えることで、バッテリー駆動時間が最大75パーセントも長くなると言う。そもそもSurface Proにおけるバッテリー駆動時間が非常に短いのが問題だったが、この点だけでも購入意欲をそそられる。なお、SSD(ソリッドステートドライブ)の容量は4種類を用意し、64/128ギガバイトモデルの物理メモリーは4ギガバイト、256/512ギガバイトモデルは8ギガバイトの物理メモリーを搭載する。ただし最上位モデルは1,799ドル(約17万8,000円:1ドル99円で換算)と高額なため、選択肢に加えるのは難しい(図04)。

図04 Surface Pro/Surface Pro 2の比較

周辺アクセサリが充実したのも新モデルの特徴に数えていいだろう。バックライトを備えた「Touch Cover 2」や「Type Cover 2」は、暗い部屋でも的確にキー入力を行える環境を提供する。Type Cover 2相当のタイピング環境を持ちながら、バッテリーを備える「Power Cover」は新モデルだけでなく、Surface Proにも対応。最大50パーセントのバッテリー持続時間延長につながると言う。バッテリー使用時の過熱感なども気になるところだが、実際に使ってみないと正しい評価を下せないため、ここでの言及は控えることにする(図05)。

図05 バッテリーを内蔵した「Power Cover」

さらにキーボード類では、「Wireless Adapter for Typing Covers」も注目に値する。Touch Cover 2やType Cover 2にマグネットで送信機を取り付け、Bluetooth経由でコンピューター本体と接続するというアクセサリだ。価格は59.99ドル(約6,000円)となるが、対応するデバイスが新モデルに限定されるのか、旧モデルでも利用できるのか興味深い(図06)。

図06 Bluetooth機能をキーボードに追加する「Wireless Adapter for Typing Covers」