その未来的なスタイルと迫力の映像で大いに注目を集めたソニーのヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)「HMZ-T1」。2011年11月の登場以来、2モデル目の「HMZ-T2」を経て、2013年の11月、ついに最新モデルが発売される。今回はT-2の正統な後継機といえる「HMZ-T3」と、シリーズ初のワイヤレス機能を搭載した「HMZ-T3W」の2モデルがラインナップ。ここでは、T3Wのレビューをお届けしていく。

見るからに軽量化された雰囲気のある「HMZ-T3W」

マットブラックとメタリッククロームの対比が美しい

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「自身の頭部に装着するHMDなのに、なぜわざわざテレビの前で使用しなければならないの? こんなの絶対おかしい!」

同シリーズの従来機に対して、そんな感想を抱いたのは私だけではないはずだ。というのも、HMDの電源と入力ケーブルが繋がったプロセッサーユニットをBDレコーダーや「プレイステーション3」などの再生機器に接続する必要がある関係で、多くの家庭ではテレビが置いてあるだろう場所で使わざるを得ないのである。ウェアラブルなモニターでありながら、これではきわめて本末転倒だ。

ヘッドパッドは折りたたみ式。上下と前後にも微調整できる

見よ、この映り込みの美しさ!

接眼部。鼻が収まる部分に見えるのはアイセンサー(ノーズセンサー?)

そんな我々(むしろ筆者?)の声が届いたのか、T3Wでは再生機器から離れて使用できるようになった。プロセッサーユニットは、依然として再生機に接続する必要があるものの、電源がプロセッサーユニットと別のバッテリーユニットとなり、コンセントから解放されたのだ。しかも、このバッテリーユニットとプロセッサーユニットの無線接続が可能になった。映像と音声信号をバッテリーユニットがワイヤレス受信するので、ユーザーは部屋のどの位置においても、自由なスタイルで迫力の映像を楽しむことができる。ちなみに、無線接続の通信距離は、カタログ数値で7m(付属スタンド使用時。環境により異なる)。1つの部屋の中であれば十分な距離だ。

コントロール部はバイザー下面にある。2つのスライダーで眼幅を調整可能

電源ボタンと、メニューを操作するためのコントローラー

反対側にはボリュームコントロールスイッチが設けられている

下部ライトシールド。没入感向上には欠かせないが、手元が見えなくなる

大型ヘッドホンの装着を考えて大きく弧を描いたサイドアーム

後頭部を2点で包み込むように支える、後部ヘッドパッド

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