ソニーは31日、3D表示に対応したヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」を発表した。価格はオープンで、推定市場価格は60,000円前後。発売は11月11日の予定だ。

「HMZ-T1」

新開発の0.7型有機ELパネルを右目用と左目用に1つずつ搭載。表示画素数は1,280×720ドットとHD映像に対応しており、有機ELパネルならではの高コントラストや高い色再現性で映像が楽しめる。本機ではソニー独自技術「Super Bit Mapping for Video」も採用しており、地上デジタル放送やブルーレイディスク(BD)で用いられている8ビット映像から14ビット相当の階調を再現することが可能だ。なお、応答速度も0.01msとなっており、数msが一般的な液晶パネルに比べて残像が圧倒的に少ないのもメリット。

新開発の有機ELパネルを2枚搭載。0.7型(対角18mm)と小型ながら1,280×720ドットの高精細表示が可能だ

最大の特徴は右目用と左目用に1枚ずつのパネルを搭載した「デュアルパネル3D方式」により、従来よりリアルな3D表示が楽しめるようになった点だ。現在流通している3D対応の薄型テレビでは、右目用の映像と左目用の映像を高速で交互に表示する「フレームシーケンシャル方式」が主流だ。それに対して本製品では、右目用の映像と左目用の映像を完全に分けてそれぞれの目に届けられるので、フレームシーケンシャル方式のように右目用・左目用の映像が瞬間的に交ざって見えてしまうクロストークが全く発生しないのである。

右目用と左目用の映像が完全に分けて届けられるので、フレームシーケンシャル方式などの従来方式(右写真)のようにクロストークが発生しにくい

本機ではプロジェクターで培った技術をもとに広い視野角を実現するレンズを搭載。750型相当の画面を20m離れたのと同じ状態という、大迫力の映像を視聴できる。部屋のスペース確保に悩まずに、大画面のホームシアターを楽しめるわけだ。さらに本機では、「5.1ch バーチャルサラウンド技術」を搭載。映像とともに臨場感のあるサウンドを堪能できる。

内蔵ヘッドホンのタイプはオープンエアダイナミック型で、ヘッドマウントユニット全体の重量は約420g(ケーブル除く)。サイズは約W210×D257×H126mmとなっている。

本機をBDレコーダーなどの外部再生機器と接続するには、付属のプロセッサーユニットを経由する。ユニットの映像インタフェースは、HDMI入力が1系統、HMD出力/スルー出力が1系統/1系統だ。ユニットサイズはW180×D168×H36mm、重量が約600gとなっている。

なおソニーでは、成長期の子どもへの影響を考慮して、制限年齢を15歳(使用可能な年齢は16歳以上)としている。

装着した状態はこんな感じ(写真右)。3Dの没入感が従来の方式より高いので、映画のほかゲームなどにも最適だ