LIFEBOOK UH90/Lを語る上で避けて通れないのが、3,200×1,800ドットの高精細14型ワイド液晶IGZOパネルを搭載している点である。
安藤氏は、「PCにおいてユーザーが対峙するのがディスプレイ。その部分に最も美しく、最高性能のものを採用したかった。それが今回のIGZO液晶である」とし、「IGZO液晶ならでは特徴である省電力も大きな魅力。これは、モバイルユースをサポートするものになる」とする。
ビジネスシーンでは複数のウインドウを開いて利用するケースも多いが、3,200×1,800ドットの高精細であれば、14型ワイドの大画面と相まって、これまでのノートPCにはないマルチタスクの実行環境が整うことにもなる。
あまりにも高解像度であることから一部ユーザーからは、標準設定の150%のスケーリングでは文字が小さすぎるという指摘もあるが、「設定変更によって見やすい環境を提供できる。ユーザーの設定変更で対応できるのならば、最高水準のパネルを提供し、高い仕様要求にも応えられることを優先したいと判断した」(富士通パーソナルビジネス本部第一クライアントプロダクト事業部第二技術部シニアプロフェッショナルエンジニアの山田徹氏)というわけだ。
また、「画像ひとつひとつのデータ量が増え、より高解像度の環境で画像を再現したいという要求が高まっている。これは、最高のディスプレイを搭載した理由のひとつだが、UH90/Lでハードディスクを搭載したことにもつながる発想。クラウド利用などが進展する一方で、自分の端末にデータを蓄積しておきたいという要望も根強い。使い勝手の良さを実現する端末であるという観点から、ハードディスクを搭載した。大容量化するデータをローカルに蓄積し、それを持ち運ぶことが、UH90/Lで目指したものになる」(山田氏)とする。
熱処理で苦労した片面実装 - Haswellの功績
薄さと堅牢性を実現する上で、本体の部品レイアウトや熱処理は開発チームが最も苦労したところだ。
LIFEBOOK UH90/Lでは、基板はマザーボードおよびサブボードを、ともに片面実装とすることで薄さを実現。さらに、キーボード下に絶縁シートを敷き詰め、面全体で堅牢性を追求することで、打鍵感を犠牲にしない薄型化へとつながっている。
「Haswell(第4世代のIntel製Core iシリーズ)によって、バラバラだったCPUとチップセットが統合され、『二個一(にこいち)』になったことで、面積が大幅に減った。これも片面実装の実現につながった要素のひとつ」(山田氏)とする。
だが、片面実装にすると部品の凹凸がボード上にできやすくなり、熱の通り道に影響を及ぼす可能性がある。
「触ることが多いパームレストの下部分にはバッテリを配置し、CPUをはじめ熱源になりうるものは、後方エリアにバラす形で配置した。だが、基板上に凹凸ができるため、熱が溜まるホットスポットができやすくなる。これが熱処理では一番の問題。熱の発生、熱の流れを何度もシミュレーションを重ね、最善のレイアウトを考えた」(松下氏)
ヒートパイプは、従来のLIFEBOOK UH75/Hよりも厚めのものを採用。これも熱処理には効果を発揮している。
もうひとつ、LIFEBOOK UH90/Lで触れておきたいのが、新たなスタイルのLANポートを搭載していることだ。
UH75/HではUSBポートに接続する形でLAN接続を可能としていたが、LIFEBOOK UH90/Lでは、内蔵型の新たなLANポートを搭載した。
これは、本体部からポート部を引き出して、そこにケーブルを縦方向から差し込むというもので、通常のLANポートがLIFEBOOK UH90/Lの薄さでは搭載できないという問題をクリアしたユニークな工夫だ。
「UH75/Hの購入者の声を聞くと、ビジネスシーンでは、LANポートを搭載してほしいという声が多かった。そうしたニーズに応えるために搭載したのがこのポート」(江尻氏)だという。
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