デルは6月、"宇宙最強"を謳うゲーミングノート「ALIENWARE」シリーズのフルモデルチェンジを行った。ボディ設計を2年ぶりに一新し、全機種に第4世代Core iと最新ノート用GPUにフルHD液晶を採用。その時点で最強のハードを組み合わせるというパワー志向も健在だ。

さて今回は、その中から17型の「ALIENWARE 17 プラチナ」を試用する機会に恵まれた。Core i7-4900MQとGeForce GTX780Mを標準搭載している時点でゲーマー垂涎の設計だが、さらにCPUがオーバークロック仕様というノートPCとしては破格の要素まで含まれている。

標準構成で299,980円と値段もスゴいマシンだが、果たしてその出費に見合った興奮を与えてくれるのだろうか? 各種ベンチマークを交えつつ検証してみたい。

■[製品名] ALIENWARE 17 プラチナ テスト機の主な仕様 [CPU] Intel Core i7-4900MQ (2.8GHz) [メモリ] DDR3L 1600 16GB (8GB×2) [グラフィックス] NVIDIA GeForce GTX 780M 4GB GDDR5 [ディスプレイ] 17.3型ワイド液晶(1,920×1,080ドット、ノングレア) [ストレージ] 64GB mSATA SSD + 750GB SATA HDD [光学ドライブ] ブルーレイコンボドライブ [サイズ] W413.56×D299×H46.24~48.46mm [重量] 約4.15kg(SSD搭載時) [バッテリ駆動時間] 未公開 [OS] Windows 7 Home Premium SP1 [直販価格] 299,980円(構成例、8月29日時点)

CPUは独自のオーバークロック設定

「ALIENWARE 17 プラチナ」の見どころは、搭載CPUの「Core i7-4900MQ」がTurbo Boost時最大4.0GHz動作になるようオーバクロック(OC)設定されている点だ(通常は3.8GHzが上限)。Turbo Boostは負荷をかけるコア数が多いほど、動作クロックの上限が低くなるが、今回テストしたALIENWARE 17では、4コア動作時に最大3.6~3.7GHzで動作していた(下図参照)。

ちなみに、普及価格帯のノートPCで採用例の多い「Core i7-4700MQ」におけるTurbo Boostの最大値は、1コア使用時3.4GHz、4コア動作なら3.2GHzだ。ALIENWARE 17のOC設定は、普通のCore i7ではCPUパワーがモノ足りないユーザにとっては十分魅力的といえる。

「HWiNFO64」によるハードの情報表示。4コア時の最大動作クロックが3.7GHzになっている点に注目

ストレージの構成は、7,200回転の2.5インチHDDにOSを入れ、SATA6Gbp/sのmSATA SSDをキャッシュとして使用している(iSRTを利用)。250GBクラスのSSDだと、今どきのゲームを5~6本も入れれば、空き容量が枯渇してしまうため、ゲーマー心理としては大容量ストレージは嬉しい選択だ。しかし、搭載CPUとGPUの思い切りの良さに比べると、SSDを起動ドライブとする選択肢がないのは寂しい気もする。

テスト機のストレージ構成を「CrystalDiskInfo」でチェック

ALIENWARE共通の特徴として、標準搭載OSが「Windows7 Home Premium 64bit」である点も力説しておきたい。Windows 8はSSDへの対応やブート速度などのメリットはあるが、一部のゲームタイトル(Bioshock、Hearts of Ironなど)で不具合を起こすものがある。あらゆるPCゲームを最高の環境で楽しむ、という観点に立った場合、間口を最大限に確保できるのがWindows 7なのだ。この姿勢は素直に称賛すべきだろう。

なお、BTOでWindows 8 64bitを選択することもできるので、最新OSを望む人でも安心だ。

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