講演ではクラウドとビッグデータをビジネスに活用させた具体例がふたつ紹介された。ひとつは電波改善に関するもの。同社では月に7.5億件ものアプリ通信ログをユーザーから集め、パケット接続できているかどうかを調べているという。孫社長は「200か所で調べました、1000人に聞きました、といったアナログチックな分析結果を報告している専門雑誌はたくさんある。しかし、我々は月に7億5000万件もの分析結果を得ている。そのためNTTドコモさんのツートップがどのくらいの通信接続率なのか、NTTドコモさんよりもよく知っている。auさんの機種で通信接続率が一番悪いのはどの機種なのか、auさんよりもよく知っているんです」と明かした。

ソフトバンクではアプリ通信ログを集め、パケット通信接続率の調査に活かしている

都市部における人の流れも把握(写真左)。基地局計画の最適化に活用している。その成果が、パケット接続率No.1として結実した(写真右)

さらに、同社ではツイートの解析も行っている。例えば「お客様に電波改善の実感があるか」を調査するために、直近の5カ月間にわたり1億2000万件ものTwitterおよびFacebookの投稿を解析しているという。

SNSの投稿に対して、自然言語処理による感情分析を行いサービスの向上に利用している