シンプルなデザインの薄型・軽量モバイル

レノボ・ジャパン 製品事業部 ThinkPad 製品担当 吉原敦子氏

続いて、「ThinkPad」「ThinkCentre」それぞれの製品担当者から新製品についての説明が行われた。まず「ThinkPad」の製品担当者であるレノボ・ジャパン 製品事業部 ThinkPad 製品担当 吉原敦子氏が今回発表した「ThinkPad X240s」と「ThinkPad T440s」の概要を紹介した。

「ThinkPad X240s」と「ThinkPad T440s」はともに型番に"s"が付いた薄型軽量モデル。製品名からするとそれぞれThinkPad X230やThinkPad T430sの後継のようにみえる。しかし、製品ポートフォリオを見ると(Small and Medium Business)やSOHO(Small Office/Home Office)向けの薄型モバイルという、これまでThinkPad Edgeではカバーしきれなかった新しい領域に向けて投入された製品といえる。

ThinkPad X240s

ThinkPad T440s

ThinkPadシリーズの製品ポートフォリオ

さらなる薄型化にともないデザイン面でも変更が行われている。ThinkPad X1 Carbonと同様にヒンジにドロップヒンジを採用した。背面にインタフェースを置かずにシンプルなデザインとなった。

ドロップヒンジを採用

ヒンジの変更によりディスプレイを180度開いた際、机との隙間がなくなるため画面にタッチするといった場合でも安定性が増したという。

また、天板面に配置したレノボとThinkPadのロゴの向きを変更。従来はディスプレイを閉じると使っているユーザーに対して正しく見える向きだったが、新モデルではディスプレイを開いた際に、周りにいるほかの人から正しく見える向きへと変更となった。

天板のロゴの向きが逆に

本体は薄型化しているが、どちらの製品も従来モデルと同様にD-subやEthernetポートを備えている。一方で、IEEE802.11ac対応など新たな技術も搭載する。

ビジネス向けらしく、薄型ノートでもD-subやEthernetポートを備える

キーボードは6列のアイソレーションキーボードで、面積の広い5ボタン式のクリックパッドを採用

キーボードは昨年発表のThinkPadシリーズから引き続き、6列のアイソレーションキーボードを搭載。ファンクションキーのアイコンが大きく見やすくなった。クリックパッドは面積の広い5ボタン式のクリックパッドを採用し、Windows 8のジェスチャー操作に対応する。

キーボードは6列のアイソレーションキーボードで、面積の広い5ボタン式のクリックパッドを採用

薄型化しつつも堅牢性は維持

薄型・軽量化に対する懸念としては、堅牢性が維持できるかどうかといった点も挙げられる。吉原氏は「薄型化していても堅牢性は維持している」として、高い堅牢性を維持する技術の一例としてHDDブラケットの変更を挙げた。

HDDブラケットの変更とワイヤレスモジュールにM.2を採用

左が従来モデルに搭載されているHDD、右が新モデルに搭載されるHDD

ブラケットだけ

ワイヤレスモジュール

「ブラケットに関しては、ショックを吸収するラバーの内部構造を変更することによって、衝撃吸収率を向上しつつ、従来製品と比べて約17gの軽量化を実現した。わずか17gと思われるかもしれないが、モバイルノートは1gを減らすのでも大きな苦労があるので、17gの削減は非常に大きな変化」と吉原氏。ワイヤレスモジュールに最新の小型フォームファクタ「M.2」のものを採用することでも、本体の小型化に貢献しているという。

底面のカバーを外したようす

第4世代Intel Coreプロセッサ(開発コード:Haswell)に加えて、ThinkPad X240sでは3セルの内蔵バッテリを2つ搭載することで、最大約11.8時間、Core i7-4500U搭載モデルでも約9.7時間の長時間駆動を実現する。

ThinkPad T440sでは、内蔵の3セルバッテリに加えて交換可能な6セルバッテリを搭載する。この6セルバッテリはホットスワップのように、PCの電源をシャットダウンしなくても交換できる。

ThinkPad T440sは内蔵バッテリと取り外し可能なバッテリの2つを搭載する

@ThinkPad T440sの底面

バッテリをはずした様子

日本の要求で高解像度ディスプレイ搭載モデルも販売

またディスプレイについて発売当初は、ThinkPad X240sがHD(1,366×768ドット)解像度、ThinkPad T440sがHD+(1,600×900ドット)解像度のディスプレイ搭載モデルのみの販売となるが、後日フルHD(1,920×1,080ドット)のIPS液晶搭載モデルや、10点マルチタッチ対応モデルなどのラインナップを拡充するという。

高解像度ディスプレイに加えて、タッチ対応ディスプレイも用意する

フルHDディスプレイの提供が遅れる理由について、吉原氏は「開発当初はフルHDディスプレイを搭載する予定がなかった」と説明する。

「しかし、日本のユーザーの方から寄せられる要望として、高解像度がほしいという声が非常に多いので、日本から開発チームに要求を挙げ続けていた。その結果、提供時期は遅れてしまうがオプションとしてフルHDを用意することができたので、高解像度が必要な方はもう少々お待ちいただければ」(吉原氏)

"動く価値"を提供するThinkPad

最後に吉原氏は「ThinkPadは新しい働き方を支える製品としてこれからも、(モバイルに強みを持った)"動く価値"を提供していく」とした。

次のページ:手のひらサイズの「Tiny」がMILスペック対応に