韓国Samsung Electronicsは6月20日(欧州時間)、英ロンドン市内で「Samsung Premier 2013 GALAXY & ATIV」というプライベートイベントを開催した。すでに発表済みのGalaxy S4 mini / Active / zoomらスマートフォン製品のほか、Windows 8 / AndroidタブレットのATIV新製品、ミラーレス一眼カメラにAndroidを搭載した「Galaxy NX」などが新たに発表されている。

Samsung Premier 2013 GALAXY & ATIV

イベントの名称にもあるように、従来同社がスマートフォン新製品発表の際に実施している「Unpacked」イベントとは異なり、今回はAndroid関連製品のGalaxyならびにWindows関連製品のATIVまで、同社の持つ最先端デバイスをまとめて紹介し、来場者に実際に手にとって触ってもらうことを主眼としたものになっている。興味深いのは、Galaxy S4シリーズ3製品は同イベント直前にすでに発表されており、新製品として発表されたのはATIVタブレットとGalaxy NXのみという点だ。とはいえ、すでに発表済みの3製品についても実際にハンズオンの機会が提供されたのは今回が初めてであり、メディアや関係者に限定した展示会と製品評価会といった意味合いが強いといえる。

小型版、防水対応版、カメラ機能強化版、拡大するS4のバリエーション

今年2月のフラッグシップ製品「Galaxy S4」リリースから始まり、小型廉価版のmini、防水機能を備えて屋外利用を想定したActive、光学ズームが可能なカメラ機能を備えたzoomと、S4のシリーズもバリエーションが4製品揃い、用途に応じて好みの製品を選べるようになった。とかくハイエンドばかりに注目が集まりがちなこの手のスマートフォン製品だが、実際に世界を見渡すと幅広いニーズがあり、それをいかに豊富なラインナップでカバーしていくかが大きな鍵となる。その意味で、S4はようやく世界にアピールだけの十分な製品領域をカバーできたといえるだろう。特にSamsungがS4を「Life Companion」と表現しているように、昨今の同社は革新性の中にスペックよりもより生活に密着した提案が行えるかを重視している傾向がある。今回紹介されているS4の4製品はどれも従来からあるシリーズの後継ではあるが、同時に個々の機能性を順当に高めており、以前までの同シリーズのユーザーでもさらに満足のいく作りになっているだろう。

イベントで登壇したSamsung ElectronicsのIT&モバイル通信部門セールスマーケティング担当プレジデントのDJ Lee氏は、こうしたGalaxy S4のコンセプトに触れつつ、今回された3製品の紹介を行っている。

韓国Samsung ElectronicsのIT&モバイル通信部門セールスマーケティング担当プレジデントのDJ Lee氏

今年2月に発表されたGalaxy S4。日本では夏商戦モデルで登場

1つめのGalaxy S4 miniは、4.3インチのqHD AMOLEDディスプレイを採用し、1.7GHz駆動のプロセッサに1.5GBのRAM、800万画素カメラ、1900mAhのバッテリを搭載する。miniの名称の割には4.3インチと大型ディスプレイになるが、あくまでフラッグシップのS4製品と比べてのいろいろな意味での「手頃感」を示す名前なのだろう。

拡充されたGalaxy S4シリーズ。miniは小型版、Activeは防水対応、zoomは10倍光学ズームレンズを搭載した撮影機能強化モデル

ハイエンド版S4の5インチクラスよりは小型な4.3インチAMOLEDディスプレイを採用したmini

興味深いのは残りのラインナップだ。Galaxy S4 Activeは前述の通り防水機能をその最大の特徴としており、IP67に準拠して水深1メートルに最大30分まで水没しても内部に浸水しない機構になっている。壇上では防水・防塵を証明するため、用意された水槽の中に本体を沈め、その状態でも動作を続けている点をアピールした。ただし、この状態ではタッチパネルは動作しないため、例えば水中でのカメラ撮影を実現するために「Aqua Mode」という機能が搭載されており、ボリュームボタンをそのままシャッター代わりにして水中でのカメラ撮影が行える。